ソフトB・上林 アキレス腱断裂した右足の状態「99%」10年目シーズン「引っ張らないと」

[ 2023年1月21日 05:00 ]

ノックを受け、軽快な動きを見せる上林(撮影・岡田丈靖)
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 攻守で柳田主将を助けたい――。ソフトバンク・上林誠知外野手(27)が20日、今年初めて筑後ファーム施設で調整。昨年5月の右アキレス腱断裂後の状態は「99%」と全快間近と主張した。春季キャンプからの合流が可能となったことをアピールするとともに、昨季、主将1年目に孤軍奮闘した柳田悠岐外野手(34)の負担軽減に一役買う決意を示した。

 今季こそは、ギータ主将を助ける力になりたい。右アキレス腱断裂から完調間近の上林が、先輩への素直な思いを明かした。

 「ギー(タ)さん、もう35(歳シーズン)ですからね。考えられないです(笑い)。もう、そんな年かって。そろそろ楽させてあげないと。去年も相当、疲れてそうだった」

 柳田が主将就任1年目の昨季。上林は「8番・中堅」で開幕スタメンを勝ち取った。33試合で打率・301、12打点と順調だった5月18日の西武戦。試合前にアクシデントが襲った。シートノック中に「バコっと骨が動いて穴に落ちた感覚だった」と重傷を負った。リハビリ組のまま、昨季は終了。同率のオリックスに優勝を奪われ、ポストシーズンでも同じ相手に屈した。

 22年シーズンを見て、感じたのが主将の孤軍奮闘だった。「1人に背負わせている感があった。やはり、申し訳ないなと。それは自分らの責任ですから」。高卒10年目の今季を前に覚悟を決めた。

 リハビリ組に在籍のまま、昨年末から1月18日まで都内で単独トレを行った。その間、体重は7キロ増の90キロとなる。「100%を出さなくても力が出る。そこは良かった」と手応えを感じている。

 この日の外野ノックを打ち、ベースランニングを見守った野手部門のリハビリ担当・高田知季コーチも安心した。「細かい動きも問題はなさそう。キャンプからは行けそうです」。あとは帰塁など実戦での動きを、確認する最終局面にいる。

 上林は「(状態は)全体的にグッドです。完全とまでいかないけど99%と言っておきます。違和感、怖さがなくなったのがいい」。柳田は昨季117試合出場で24本塁打、79打点、打率・275。首の痛みに耐えながらポストシーズンも全6試合で2本塁打含む8打点だった。同じ外野手として守備、打撃など柳田の負担を減らす仕事はたくさんある。

 18年には143試合、22本塁打、13盗塁とブレークした上林だが目標数値は掲げない。「まず試合に出なきゃ、何も付いてこない。ケガでゼロになった。まずはそこを取りに行く。世代的にもね、引っ張らないといけない年なんで」。クールに、責任感を出した。(井上 満夫)

 《外野手争いし烈》ソフトバンクの外野手レギュラー争いは左翼に日本ハムからFAで加わった近藤、中堅には昨季、規定打席に2打席足りなかったが、打率.301のキャリアハイをマークした牧原大、右翼は柳田が最有力。ただ、藤本監督は「(近藤は)柳田とDH併用でやってくれたらいい」と近藤、柳田についてはDH併用しながら全試合出場させたい考え。そこを狙うのは右の大砲候補と期待される2年目・正木、昨季は107試合で打率.277と活躍した柳町、19年ドラフト1位の佐藤直らがおり、故障明けの上林もここに加わる。

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2023年1月21日のニュース