奈良斑鳩町出身、オリのドラ1・曽谷 十七条の憲法イメージの背番号17「『17』といえば『曽谷』と」

[ 2023年1月11日 05:02 ]

地元・奈良県斑鳩町職員の父から法隆寺の扇子を持たされた曽谷(撮影・須田 麻祐子)
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 オリックスの新人8選手(育成含む)が10日、大阪市此花区の選手寮「青濤館」に入寮し、ドラフト1位・曽谷(そたに)龍平投手(22=白鴎大)は奈良県斑鳩町の世界遺産として知られる法隆寺で販売される「夢」と書かれた扇子を持参して地元PRにひと役買った。同町役場職員でもある父・博一さんも同伴。聖徳太子の「十七条の憲法」になぞらえ、背番号「17」での活躍へと送り出された。

 世界遺産級の活躍で第2の夢をかなえる。曽谷は故郷の斑鳩町にある法隆寺で販売されている「夢扇子」を寮に持ち込んだ。8歳の時、20歳の自分に出した手紙で「オリックスに入ってください」と書いた夢を実現させた左腕は、いよいよ始まるプロ生活では球界を代表する投手を志した。

 「書くことは誰でもできると思うんですけど、実現するのは難しいこと。自分がなれるとも思ってはいなかったので、コツコツ地道にやっていけば夢はかなうんだなと。日本を代表するピッチャーになりたいなと思ってるのでそれに向かって頑張りたい」

 斑鳩町役場の総務部課長を務める父・博一さんが用意した手製資料が報道陣に配られた異例の会見。法隆寺は今年で世界遺産登録30周年を迎え、曽谷の背番号「17」の数字は斑鳩町ゆかりの聖徳太子が制定した「十七条の憲法」を想起させる。

 資料には「聖徳太子の『和のこころ』も全国に広がり、オリックス・バファローズの『17』といえば『曽谷龍平』と連想してもらえる選手になることを誓います」と力強い宣誓の言葉が記されていた。「自分の生まれ育った町をアピールできるぐらいに活躍したい」。日本一球団の期待のドラフト1位。プロでも夢をかなえ、古都に吉報を届ける。(山添 晴治)

 ◇曽谷 龍平(そたに・りゅうへい)2000年(平12)11月30日生まれ、奈良県斑鳩町出身の22歳。小1で野球を始め、斑鳩中では志貴ボーイズでプレー。明桜(現ノースアジア大明桜)では1年夏からベンチ入りし、2年夏に甲子園出場。白鴎大では4年春の松本大戦でノーヒットノーラン達成。1メートル82、80キロ。左投げ左打ち。

 ▽斑鳩(いかるが)町 奈良県北西部に位置し、生駒郡に属する。人口2万8168人(22年11月30日)。飛鳥時代に聖徳太子が斑鳩宮を営むなど歴史は古く、当時創建の法隆寺と法起寺が世界遺産。十七条の憲法は聖徳太子が604年に制定、施行されたといわれる日本初の憲法で、儒教や仏教の思想が取り入れられている。

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2023年1月11日のニュース