阪神・岡田監督 佐藤輝の打撃改造予告 「20本で終わる打者じゃない」

[ 2022年10月25日 05:15 ]

三塁ベンチ前から佐藤輝らの打撃練習を見守る岡田監督(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 輝にメス予告――。秋季練習初日、阪神・岡田監督は佐藤輝の打撃練習に熱視線を送ったが、直接指導は行わなかった。直す必要がない…わけではなかった。まずはグラウンドレベルで改めて和製大砲の打撃をチェック。その上で出場予定の11月の侍ジャパン強化試合後の打撃改造を予告した。

 「侍の強化試合があるから、それまではあまり言わないようにしようと思って。(強化試合から)帰ってきたら変えないといけない、変えると思うけど」

 評論家として猛虎を見守っていた時から、佐藤輝の打撃については、もどかしさを口にしていた。タイミングの取り方、グリップの位置…。「20本で終わる打者じゃない」と潜在能力を認めるからこそ、修正点を伝える必要性を感じている。ただ今すぐだと、侍ジャパン強化試合を前に打撃を崩してしまう。そこで途中合流となる秋季キャンプでの直接指導で、主砲としての完全開花を促す算段だ。

 くしくもこの日、佐藤輝自身も、変化の必要性を口にした。「もっと体を大きく使って打球を飛ばせるフォームにしていきたい」。今季は全試合に先発出場して2年連続20本塁打以上をマークも、8月以降は46試合で4本にとどまった。「やっぱりちょっと当てにいくというのもあったかもしれない」。年間を通して戦い抜く上で、「変化」が必要であることは自覚していた。

 さらなる飛躍へ、研究も進めている。「ホームランバッターのフォームはすごく見ています」。ソフトバンク・柳田や西武・山川、オリックス・吉田正らを参考に「来年は体を大きく使う中でも率を上げていかないといけない」とヒントを探っている最中。そこに「岡田イズム」も注入されることになる。

 指揮官の三塁固定、全試合フル起用方針にも「本当にそうなるように練習したい」と呼応した佐藤輝。「僕らもついていって、“アレ”目指して頑張りたい」。悲願成就のためにも、不動の主砲へと進化を遂げてみせる。(阪井 日向)

《就任前グリップの位置に苦言》就任前の岡田監督は、野球評論家として佐藤輝の打撃についてラジオ中継で語っていた。9月28日ヤクルト戦では「タイミングを取るのが全然遅い。投手の足が上がっても動かない。全然遅れている」と指摘した上で「あのグリップの位置では絶対打てない。耳ですもん。耳から打ってる打者、誰一人いない」と発言。今月13日のヤクルトとのCSファイナルSの中継でも「何を狙っているのか分からない。打てないところは見逃せばいい。弱点まで打たなくていい」と意識改革の必要性を説いていた。

続きを表示

2022年10月25日のニュース