スライダー率41・9%でサイヤング賞レースに割って入ったホワイトソックスの右腕ディラン・シース

[ 2022年8月7日 12:21 ]

ホワイトソックスの右腕ディラン・シース(AP)
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 大谷翔平のスライダー率の高さ(36%)が話題になっているが、それ以上の41・9%を投げ、ア・リーグのサイヤング賞レースに割って入った投手がいる。ホワイトソックスの右腕ディラン・シース(26)だ。

 今季の成績は12勝4敗、防御率1・98。しかしながら5月24日のレッドソックス戦直後は防御率4・24だった。そこからスライダー率を増やし、5月末のカブス戦から13試合に先発し、全て自責点が1点以下と、歴史的な快挙を成し遂げた。MLB公式サイトによると、1913年に防御率が公式記録になってからではオープナーを除くと初めてのことだという。トータル76イニングで自責点は5点。8月5日のレンジャーズ戦も6回を投げ2安打1失点で、チームを勝利に導いた。13試合のチーム成績は11勝2敗で「チームに勝つチャンスを与えられて嬉しい。これを続けていきたい。投手をやってきて、今が一番良い状態」と微笑む。

 スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」は6日(日本時間7日)この快挙について詳しく報じた。チームメイトでクローザーのリアム・ヘンドリックスは「彼のスライダーは90マイルのカーブ。動きが度を超えている」と絶賛。「しかも良質のスライダーを投げる確率の高さにも目を見張る。自分がスライダーを5球投げたら、3球は駄目で2球は良い球。ディランの場合は4球が良い球で、一つは平均レベル。これは真似できない」と舌を巻く。

 直近の8試合はスライダーが51・3%、直球が35・5%、カーブは11・8%とさらに割合を増した。球界ではスライダーを投げすぎるとケガにつながると指摘する人がいる。だがイーサン・カッツ投手コーチは「腕にストレスを感じるのは、長いイニングでなかなかアウトを取れない時。打者がアジャストできないなら、3球連続スライダーで良いしそれで早く討ち取れる」と説明する。シースのスライダーの空振り率は46・8%、被打率は・121である。与えた四球53個はリーグワーストだが、走者を出してもヒットを打たれなければ大丈夫という考え方だ。6月、7月連続でア・リーグ最優秀投手に選ばれ、ホワイトソックスがア・リーグ中地区の優勝争いにとどまる大きな理由になっている。サイヤング賞レースはアストロズの大ベテラン、ジャスティン・バーランダーが先頭を走るが、残り2か月、メジャー4年目のシースが追いかける。

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2022年8月7日のニュース