福島敦彦氏　左肘万全でなかった京都国際・森下　将来考え早めの継投でよかった

第104回全国高校野球選手権大会第1日・1回戦   一関学院6―5京都国際 （ 2022年8月6日    甲子園 ）

＜一関学院・京都国際＞1回1死一、二塁、一関・小松は右中間2点適時三塁打を浴び、打球の行方を見つめる京都・森下（撮影・井垣　忠夫）
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　【福島敦彦の迫球甲子園】京都国際は8、9回の粘りが見事だっただけに、2回以降の攻めに確実性と工夫が欲しかった。2回無死一塁から藤本君が送りバント失敗（記録は捕ゴロ）。3～5回にかけては7連続飛球アウト。スピードがあるわけではない右下手投げの小野涼君に対し早いカウントから打つこと自体は間違いではないが、コースも含めて狙い球を絞るなど細かい部分の徹底が必要だった。

　森下君は昨夏の出来からは程遠かったが、左肘を含め状態が万全でないことを考えれば仕方がない。将来もあるだけに早めの継投で良かった。上位進出が期待されたが、新型コロナウイルス集団感染による選抜辞退からチームを立て直し、甲子園に戻ってきたことに胸を張ってほしい。

　一関学院の各打者は強く振り切っていたからこそ、3回の後藤君の適時打、延長11回の寺尾君のサヨナラ打につながった。6回にスクイズ失敗はあったが、得点した3、11回を含め3度の送りバントを決めた。やるべきことを確実にすることで最後まで流れを渡さなかったことが勝因だ。　（報徳学園、慶大、中山製鋼元監督）