阪神・佐藤輝 渋い4番の仕事 先制V犠飛「よく走ってくれた。ありがとうなぎ」先輩島田の快足に感謝

[ 2022年8月6日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神3-2広島 ( 2022年8月5日    マツダ )

<広・神>初回1死一、三塁、先制の左犠飛を放ち、ナインに迎えられる佐藤輝(撮影・坂田 高浩)
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 派手な活躍ではない。むしろ渋い働きで、阪神・佐藤輝が勝利に貢献した。初回、1死一、三塁。追い込まれてからの大瀬良のフォークを、軽く合わせるように左翼へ打ち上げた。三走・島田を還し、巨人に喫した前夜の零封負けの嫌なムードを振り払った。

 「追い込まれていたので、何とか食らいついて、外野まで運びたい気持ちだった」

 今季6個目の犠飛で、リーグトップのDeNA・牧に並んだ。28本の二塁打とともに、2部門でセ界の首位に立つ。実は、もう1部門で1位の数字がある。こちらは不名誉な方で、三振数(94)。さらに1つ増えそうな状況で、懸命に食らいついて得点につなげたところに、この犠飛の価値があった。

 「そこまで飛距離が出た打球ではなかったが、島田さんがよく走ってくれたと思う。ありがとうなぎ」

 猛虎の4番が自覚するように、島田の快足がなければ浅い左飛に終わった可能性があった。6月28日のDeNA戦でも、浅い中飛を犠飛に変えてもらっていた。この時も、先輩の愛称「うなぎ」にちなんで、「ありがとうなぎ」とコメント。“先輩イジり”のような発言が引き金になって、7月末に、島田初のオリジナルグッズ「ありがとうなぎシリーズ」が発売された。グラウンド内外で絶妙なコンビネーションだ。

 年長者にも堂々とした態度を取る後輩を、島田は「本当、なめてますよね。でも、個性があることはいいこと。可愛い後輩」と受け止める。ふてぶてしさは武器の一つ。大山不在でも、変わらぬ立ち回りをしてくれそうだ。(倉世古 洋平)

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2022年8月6日のニュース