西武・栗山が一発で決めた!本拠1000安打 38歳会心「“こりゃ行ったな”と」レア記録史上11人目

[ 2022年6月29日 05:30 ]

パ・リーグ   西武5―2日本ハム ( 2022年6月28日    ベルーナD )

<西・日>8回、同一球場通算1000安打となる2ランを放つ栗山(撮影・久冨木 修)     
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 コツコツと、着実に積み重ねてきた。プロ21年目。涙も、汗もしみこんだベルーナドームで西武・栗山のアーチが右翼席に伸びる。史上11人目となる同一球場での1000安打目を本塁打で決めた。

 「なかなか節目にホームランはなかったけど、ホームランになって良かった。思い切り行ったら当たって“こりゃ行ったな”と」

 38歳。味のあるコメントで振り返った打席は3―2の8回だ。目前で外崎が送りバントに失敗して1死一塁。下手投げの鈴木が投じた130キロ直球を豪快に捉えた。名球会入りの2000安打でさえ、昨年9月の栗山で54人目だった。過去10人しかいないレアな記録に少し胸を張った。

 初回2死三塁から王手をかけた一打には名前の通り「巧の技」がのぞく。直球に詰まりながら右前へ。バットに乗せて内野の後ろに落とした。3打点で今季最長タイ4連勝に導き、辻監督は「ここというところでの勝負強さは素晴らしい。この球場だけで1000本は凄い」と絶賛した。

 01年ドラフト4巡目で入団して以来、西武一筋。04年のプロ初安打は大阪ドーム(現京セラドーム)で、本拠地では05年からヒットを重ねてきた。飽くなき向上心を持つ男は何歳になっても「とにかくうまくなりたいと思って球場に来る」と語り、毎日、課題と発見があるという。「難しいなと思いながら、でも打撃は面白いなと思ってやってる」と語る表情は野球少年のよう。1500安打は神宮、2000安打は楽天生命パークで放ち「これは本拠地でしか出ないから安心」とこの時を待ちわびていた。

 涌井、岸、浅村、中島、片岡ら毎年のようにFAで主力が流出していった中、16年オフにはFA宣言した上で残留。「ライオンズというチームが好き。一筋でやってきて良かった」と口にしていた。移籍はもちろん、新球場建設や本拠地移転などが絡めば、達成が難しい記録。西武を愛し、本拠地を愛した栗山だからこその記録だった。(秋村 誠人)

 《ベルーナDでは初》栗山(西)がベルーナD通算1000安打を達成。同球場初安打は、05年4月12日の日本ハム戦(当時はインボイス)で記録。同一球場での1000安打以上は、大阪球場で1465安打を放った野村克也(南海など)を筆頭に2リーグ制後11人目。ベルーナDでは栗山が初めてだ。

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