巨人 セ界最大のリベンジ!16失点翌日に19点 初1番・増田陸が6発猛攻口火弾

[ 2022年6月26日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人19―5ヤクルト ( 2022年6月25日    神宮 )

<ヤ・巨>2回、サイスニードからソロを放つ増田陸(撮影・光山 貴大)
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 リーグ史上最大の報復勝利だ。巨人は25日、ヤクルト戦で12年ぶりの6本塁打など今季最多で3年ぶりの19得点で圧勝。前夜、5本塁打を浴び6―16と大敗した雪辱を果たした。同一カードで16失点での敗戦翌日に16得点以上で勝利するのはセ・リーグ史上初。前日にヤクルトがマークした19安打と先発野手全員安打を、そっくりそのままお返し。敗れれば自力優勝の可能性が消滅する状況は変わらないが、首位を快走する難敵に一矢報いた。 

 13年ぶりの16失点で大敗した前夜。若武者の折れない心に、雪辱の炎がすでに宿っていた。プロ初の1番起用を伝えられていたのは増田陸。「チームの勢いを僕がつけるっていう気持ち。もう絶対に行ったろうと」。決意そのままに、初回から打線の火付け役になった。

 初回、サイスニードの2球目。123キロのナックルカーブを中前打。チャンスメークすると岡本和、大城の2点打で4点を先制した。前日の初回に4点を先制されたお返しが、猛打のスタートだった。増田陸が2回にバックスクリーン右へ3号ソロを放つと、ポランコが2発、ウォーカー、丸、湯浅もプロ初本塁打と6発が飛び出した。前夜の5被弾を上回り、球団12年ぶりの6本塁打。増田陸は6回、左前打を放ってプロ初の猛打賞をマークし、丸の2ランにつなげた。

 「元気のいい(増田)陸を1番に置いた」という原監督の起用に、増田陸は「勢いを持っていくための起用だと僕は思った。いい結果につながってよかった」としっかり応えた。先発野手全員安打で今季最多の19安打19得点。負ければ日付上では03年6月27日を上回る、球団史上最速の自力優勝の可能性消滅という状況は、26日も変わらないが、やられたらやり返す意地の圧勝だった。

 師匠であり、背番号61の先輩でもある坂本からの言葉が22歳の背中を押す。キャンプは3軍スタート。オープン戦は12試合に出場も打率・167で、開幕1軍はつかめなかった。坂本からは「満員のもっとプレッシャーがかかる中でやらないとプロ野球選手じゃないからな」とLINEで鼓舞された。自主トレに弟子入りして今年で3年目。2万7159人の神宮の満員の観衆の前で、躍動した。

 前夜の大敗後「ファンの方に申し訳ない」と謝罪した原監督は、ナインにも奮起を促していた。「いろいろあるさ。(チームは)家族だから。一応俺は親だから」と多くは語らなかったが、一矢は報いた。依然、首位・ヤクルトとは10ゲーム差。自力優勝の可能性が消滅する危機は続くが、まだセ界の火を消すわけにはいかない。(小野寺 大)

 《パでは08年ロッテが10―17翌日16―0》巨人の1試合6本塁打以上は10年8月26日中日戦(坂本、ラミレス各2、長野、小笠原各1)の6本以来12年ぶり。ヤクルト戦では84年7月4日8本、86年7月1日、91年9月3日各6本に次いで31年ぶり4度目だ。前日はヤクルトに6―16と大敗したが、この日は19―5と大勝。同一カードで16失点以上の翌日に16得点以上を挙げたのは08年ロッテが西武戦で7月19日●10―17、同20日○16―0を記録して以来14年ぶり史上2度目。セでは今回の巨人が初めてだ。

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