ヤクルト・高津監督続投!交流戦Vで異例の早期決定 新たに2年契約

[ 2022年6月14日 05:31 ]

続投することが分かったヤクルトの高津監督
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 セ・リーグの首位を快走するヤクルトが、今季が3年契約の最終年である高津臣吾監督(53)と契約を延長することが13日、分かった。新たに来季からの2年契約を結ぶもようだ。就任2年目の昨季にチームを20年ぶりの日本一に導き、今季も交流戦で4年ぶりの優勝。その卓越した手腕を高く評価している球団は、長期政権で強固なチームづくりを託す。

 ファンに感動を届けた昨季のリーグ優勝と日本一。今季も交流戦を14勝4敗で全チームに勝ち越す「完全優勝」で制した。恩師で元監督でもある野村克也氏のような名将を目指す指揮官について球団も実績を高く評価。まだ6月という異例の早さながら契約延長の方針を固めた。この日までに来季からの2年契約を打診し、指揮官も受諾したとみられる。

 SNSでも話題の「高津流マネジメント」。その根底にあるのは、柔軟な思考と決断力だ。就任1年目の20年こそ前年に続く最下位に沈んだが、そこからチーム再建に着手。目の前の一試合だけでなく疲労が蓄積するシーズン終盤まで計算し、選手のコンディション維持を最優先に考える。

 昨季は高卒2年目の奥川を主に中10日で起用して9勝。日本一に輝きながら規定投球回到達者はいなかった。今季もここまでで達しているのは小川のみ。中継ぎ陣も同様で3日連続登板はマクガフの1度(3日からの西武戦)だけだ。9日のオリックス戦では1点リードの終盤に勝利の方程式を温存。1年目の昨年に1軍登板なしの木沢や、新外国人のコールをセットアッパーとして起用する大胆なタクトで逃げ切った。

 野手陣もナイター翌日のデーゲームや移動を伴う試合は、試合前の練習参加を個々の判断に任せる。主力でも疲労の蓄積を感じればスタメンから外す。5月27日の楽天戦では山田を休養させ、次カードの同31日からのロッテ3連戦で3試合連続弾につなげた。ある選手は「監督が選手を信頼してくれているのが伝わってくる。選手もそれに応えたいと思うし、監督やコーチと選手の間に信頼関係がありますよ」と明かす。

 年頭のあいさつでは衣笠剛球団社長が「果敢に(2連覇に)挑戦してほしい。フロントもワンチームとなって全力でサポートしていきたい」と信頼を口にしていた。現場とフロントが一枚岩のチームは、2位の巨人に7ゲーム差をつけて首位を走る。来季から2年指揮を執り、連続5年以上はヤクルトとなった70年以降では野村克也(9年)、若松勉(7年)両監督に続き3人目。長期政権となる高津監督が、球団史を紡いでいく。

 ◆高津 臣吾(たかつ・しんご)1968年(昭43)11月25日生まれ、広島県出身の53歳。広島工では3年春夏の甲子園に出場。亜大を経て90年ドラフト3位でヤクルトに入団。守護神として最優秀救援投手賞4度、オールスター出場6度。大リーグのホワイトソックスや韓国、台湾、国内独立リーグでもプレーした。06年10月7日の広島戦で日米通算300セーブを達成。NPB通算成績は598試合で36勝46敗286セーブ、防御率3.20。ヤクルト2軍監督などを経て20年から現職。22年に野球殿堂入り。

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