【若トラ駆ケル】阪神・江越 理想のフォームを求め試行錯誤「もっと突き詰めて」課題の打撃克服だ

[ 2022年6月14日 05:30 ]

阪神・江越 
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 【若トラ駆ケル(阪神2軍リポート)】鳴尾浜で牙を研ぐ選手を取り上げる「若トラ駆ケル」。第2回は8年目の江越大賀外野手(29)。今季は開幕1軍も4月13日に新型コロナウイルス陽性を受けたことが判明して長期離脱。1軍昇格へ向けて課題の打撃向上に励む姿に迫った。

 課題の打撃で1軍昇格の機会を狙っている。1軍舞台で江越は実に19年4月23日のDeNA戦から安打を放っていない。試行錯誤の日々は続いている。しかし自らが求める理想の形には近づいてきている。

 「いい方向に出ていると思う。もっと突き詰めていけるように」

 今季1号を放った11日のウエスタン・ソフトバンク戦(甲子園)では初回に右中間へ痛烈な三塁打を記録。翌12日の同戦では初回に2戦連発の一撃も放った。同リーグでは直近5試合で19打数7安打、打率・368、2本塁打と確実に打撃の状態は上がっていると言っていい。

 打席での考え方は至ってシンプルだ。傘を持つように脱力してバットを構え、無意識にバットが内側から出るスイングを理想とする。「打つポイントは前にして右中間にライナーを打つイメージ」。試合後は打撃フォームの確認を目的に打撃マシンの球種をカーブに設定して遅い球を打つことが日課だ。

 故障で離脱していた昨年の4月に運命的な出合いがあった。18年のシーズン限りで現役を引退した緒方凌介(現球団広報)から借りた1冊の本。タイトルは「MLBでホームラン王になるための打撃論」。米マイナー経験もある根鈴雄次氏の著書を熟読。そこには今まで耳にしたことがなかった「理論」が書かれていた。

 理論に興味を示した江越は同年オフの12月に根鈴氏が指導する神奈川県の「根鈴道場」を訪問して直接指導を受けていた。21年のパ・リーグ本塁打王に輝いたオリックス・杉本も同打法で新境地を開いた。その縁もあって年明けに初の合同自主トレを敢行。新たな引き出しを増やし、考え方を頭の中で折衷。シーズンに入ると、藤井康1、2軍巡回打撃コーチの「4スタンス理論」も取りいれ、たどり着いたのが無駄な動作を極限まで省いた現在の打撃フォームだ。

 「1軍へ上がるためには活躍し続けるしかない」。守備、走塁のスペシャリストも8年目。進化した打撃でのアピールが再昇格への近道となる。(石崎 祥平)

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2022年6月14日のニュース