新井貴浩氏 初回の中野と連携とれた近本の盗塁を評価 走塁で好機を増やしていくべき

[ 2022年5月22日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2-1巨人 ( 2022年5月21日    甲子園 )

新井貴浩氏
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 【新井貴浩 視点】近本が初回に決めた盗塁が先制点につながり、決勝点にもなった。シューメーカーは比較的、盗塁を狙いやすく、事前に中野との間で確認が取れていたと思う。近本が走るのを待っているように見えた。一度スタートを切った3球目はバッテリーに外されたことで帰塁。結果的にカウント2―2からスプリットを空振りした5球目に二盗が決まった。

 近本の初回盗塁は今季初めてで、企図も開幕戦で失敗して以来。それだけ初回からの仕掛けが少なかったことを示している。近本が2死から右前打で出た7回も中野は盗塁を待ち、2人の間に、いままで以上の連携を感じた。

 中野の打撃の良さは誰もが認める。ただ、自由にバットを振れない制約のある打席が増えることは、2番を任されている以上は仕方がない。必要な自己犠牲で、そこに価値観を見いだしてプレーすることは野球選手としての幅を広げることになると思う。逆に近本も走りづらい投手なら盗塁を待つ必要がないことを伝え、中野が打ちやすい状況を整えてほしい。

 走ることで攻撃は活性化し、勢いも生まれる。チャンスも増え、結果的に得点力も上がる。相手からもっと嫌がられる1、2番になっていけば巻き返しの原動力になり得る。(スポニチ本紙評論家)  

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2022年5月22日のニュース