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「ポスト甲斐」を狙う4年目の渡辺「打てる捕手」で売り出す

[ 2022年5月20日 08:30 ]

ソフトバンク・渡辺陸
Photo By スポニチ

 「ポスト甲斐」は誰だ。ここ数年、言われ続けているソフトバンクの課題である。その背中を虎視眈々(たんたん)と狙っている男が4年目の渡辺陸捕手(21)だ。身長1メートル87、強肩強打の大型捕手はここまでウエスタン・リーグ34試合に出場し、打率・300をマーク。「打てる捕手」を代名詞に売り出しをかけている。

 渡辺は18年育成1位で入団し、昨年8月に支配下登録された成長株。チームの捕手事情は昨年、主に抑え捕手として活躍した高谷(現2軍バッテリーコーチ)が引退。まずは1軍昇格へ「第2捕手」の座を目指していたが、ベテラン左腕の言葉で考え方は180度、変わった。

 4月のことだ。チーム最年長左腕・和田から食事に誘われ、「(2軍で)4割打たないと拓也のポジションは取れないよ」とハッキリ言われたという。目指すべき背中は侍ジャパンの正捕手を担った甲斐。渡辺は「心に響きました。今はレギュラーを取ることしか考えてない」と甘い考えを捨てた。

 打っても、打っても慢心はない。和田の言葉に尻を叩かれ、2割中盤だった打率は3割を超えてきた。今季ファーム102打席で四死球は22。出塁率は驚異の・451をマークしている。それでも、「調子が特別に良い感じはしていない。1軍に行くためには当たり前だし、良い成績を残せているとは思ってない」。常に見据えるのは1軍の舞台。現状に満足しない姿勢が結果として表れている。

 4月29日からのウエスタン・リーグ阪神3連戦は全試合でスタメンフル出場を果たした。「初めてだったので、本当に疲れましたね」とマスクをかぶり続ける疲労を痛感。3連戦を通じて、打者の反応を感じ取る。もちろん毎日、違う投手をリードする中で「基本は先輩が多いけど、どっしりと引っ張っていきたい。まずは2軍投手から信頼してもらえる捕手になりたい」とコミュニケーション能力も磨いている。

 正捕手として起用する小久保2軍監督は「甲斐拓也の全試合出る凄さを感じたと思うので、それは良い経験」と成長に目を細める。

 昼間は自身の2軍戦に出場し、夜は1軍戦をテレビ観戦。甲斐のリードやパ・リーグ打者を研究する“ダブルヘッダー”が日課の渡辺は「打てるだけじゃなくて、守れないと甲斐さんは超えられない」と言い聞かせる。世代交代の波に乗り、大きく羽ばたく瞬間を見届けたい。(記者コラム・福井 亮太) 

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