京大、漫画のような1勝 梶川「入ると思った」代打逆転満塁弾 75年ぶり3位以上が見えてきた

[ 2022年5月19日 05:30 ]

関西学生野球第5節第3日   京大7-3近大 ( 2022年5月18日    南港中央 )

<京大・近大>試合後チームメートから祝福される代打逆転満塁弾の梶川(中央)
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 2回戦1試合が行われ、京大が近大に逆転勝ちして1勝1敗とした。2―3の6回2死満塁、代打の梶川恭隆が左越えへ逆転弾。21日からの関学大との次節、もしくは24日の近大3回戦で勝ち点を挙げれば、1982年の新リーグ発足後では初、旧関西六大学リーグの47年春以来75年ぶりに3位以上が確定する。

 “なかったはず”の試合で、京大が漫画のような劇的勝利を収めた。2点を返し1点差に迫った6回は、なおも2死満塁。代打の切り札・梶川が大仕事をやってのけた。

 「割りきって真っすぐを張っていた。打った瞬間、絶対に入ると思いました」

 2球で追い込まれたが、低めの変化球を我慢した5球目。ストレートを強振すると、白球は左翼フェンスを軽々と越えた。82年の新リーグ設立後では京大史上初となる代打逆転満塁弾が、19年秋以来となるチーム史上最多タイのシーズン5勝目をもたらした。

 農学部で農業経済学を学ぶ。出場機会を求め、昨冬に捕手から外野手へ志願の転向。ウエートトレに力を入れ、体重6キロ増でパワーアップした。昨年までリーグ戦出場なしの苦労人。近田怜王監督からは「努力の結果。完璧に仕事をこなしてくれた」と絶賛された。

 因縁の6回だった。1日の近大戦では投手陣が崩壊。6回に1イニング13点を奪われたが、直後に雨脚が強まりノーゲームとなった。天が与えた仕切り直しの一戦。勝利の女神は京大にほほ笑んだ。

 次節の関学大から勝ち点を獲得し、近大3回戦にも勝てば2位となる。「歴史をつくっていると日々実感していますし、2位になれたら最高。できる気がしてきている」。地力を証明した秀才軍団が、歴史に名を残す。(北野 将市)

 ◇梶川 恭隆(かじかわ・やすたか)1999年(平11)5月25日生まれ、愛知県日進市出身の22歳。小学2年から野球を始め、日進西中では東山クラブに所属。旭丘では2年春から捕手で主力。1年浪人後、京大では4年春からリーグ戦出場。1メートル81、78キロ。右投げ右打ち。

 《優勝は2度》京大野球部は、京都帝国大時代の1898年(明31)創部。旧関西六大学野球連盟では、1934年秋と39年秋にリーグ優勝を果たしている。最後に3位となったのは47年春。2位も46年秋が最後になる。

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