阪神・青柳、壮絶投手戦で中日・大野雄の完全試合を“阻止” サヨナラ負けも胸張れ!プロ初の延長完投

[ 2022年5月7日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神0-1中日 ( 2022年5月6日    バンテリンD )

<中・神>10回1死満塁、石川昂(奥)にサヨナラ打を浴びて引き揚げる青柳(撮影・北條 貴史)
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 阪神・青柳晃洋投手(28)が6日の中日戦で大野雄大投手(33)と白熱の投げ合いを演じた。10回2死まで1人も走者を出さなかった難敵に対抗。サヨナラ打を浴びて今季初黒星が付いても、109球の力投があったから完全試合を許す屈辱は免れた。3試合連続完投は7年目で初めて。新型コロナ陽性で出遅れながら早くも規定投球回に到達し、セ・リーグの防御率トップにも躍り出た。

 決して強くない打球が前進守備だった二遊間を抜けていった。無情の決着を確認して、青柳は静かにマウンドを降りた。スコアレスの延長10回、1死満塁で石川昂にサヨナラ打を浴びて至高の投手戦は幕を閉じた。

 「大野さんが素晴らしいピッチングをしてたんで、僕もいいピッチングができたというのはあったんですけど…。10回を任せてもらえたのに簡単にサヨナラ食らったんで、そこはちょっと情けないというのがあります」

 「完全」に負けず劣らずの「完璧」なパフォーマンスだった。序盤から持ち味であるゴロ凡打を量産する投球でリズムをつかんだ。2回に初安打を許しても、大野雄の完全投球と併走するように腕を振った。

 「絶対に負けないように、1点も取られなければ負けないと思っていたので。大野さんに投げ勝つのが、今日の目標だった」

 通算10度目の投げ合い。ただの投手戦で終わらなかった。「今日の大野さんを見てたら、回を増すごとに1点が負けにつながるゲームだと。7、8、9(回)と1点取られたらおしまい、サヨナラというイメージで投げていた」。打線が1点どころか、1本の安打も刻めない展開で、できることは負けじとゼロに抑えることだった。

 8回は先頭の高橋周に2安打目の左前打を浴びるなど2死一、三塁。大野雄を中飛に打ち取った。記録上は延長10回の佐藤輝の二塁打でも、完全試合を阻止したのは9回まで1点も与えなかった背番号50の快投に他ならない。今季初黒星。開幕3連勝で止まっても、最後までマウンドを守り続けた誇れる「完投負け」と思いたい。

 約3週間も出遅れながら、4度の登板での平均投球回は9回。早くも規定投球回に到達し、防御率0・76は西勇を抜いて断然のトップになった。「また0点に抑えるように、点を与えないように頑張るしかない。ずっと、こういう素晴らしいピッチングを続けられるように、任されたイニングはゼロで勝てるように頑張ります」。エースの目は死んでいない。(遠藤 礼)

 【データ】先発の青柳(神)が延長10回1死満塁から石川昂のサヨナラ打を浴びて今季初黒星。阪神投手の9イニング以上の投球は15年に藤浪が5月27日の楽天戦で10イニングを投げて以来7年ぶりで、青柳は初めて。対戦した大野雄(中)も10イニングを完投。両軍先発投手が延長戦まで投げ合い、ともに完投したのは07年7月13日、横浜での三浦大輔(横浜)と館山昌平(ヤ)以来15年ぶり。0―0の延長10回裏2死二塁から館山がサヨナラ打を許し、三浦が完封した。また、青柳は4月22日ヤクルト戦から3試合連続の完投。阪神の投手では13年能見の6月1日オリックス戦(完封)、8日ロッテ戦(完投勝利)、15日楽天戦(完投敗戦)の3試合以来9年ぶり。

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2022年5月7日のニュース