広澤克実氏 阪神はここから立て直し「4月中に首位と5差」を目標に 逆境だからこそプラス思考で

[ 2022年4月9日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3ー3広島 ( 2022年4月8日    甲子園 )

広澤克実氏
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 【広澤克実 視点】中止をはさんで2試合連続の延長戦は引き分けで終わった。下位チームにとって、引き分けは負けに等しいというのがプロ野球の定説だ。でも、ここでは負けなかったことを第一に評価したい。これで1勝10敗1分け。借金9は変わらない。重たい数字であるのは否定できない。

 それでも、こういうときこそ、発想を変えて戦うのが得策だし、そうするべきだと思う。減らない借金に四苦八苦するのではなく、セ・リーグ首位の巨人とのゲーム差で見ていきたい。この夜は巨人も負けた。試合前の時点での7・5ゲーム差が7ゲーム差に縮まった。こじつけでも構わない。逆境だからこそプラス思考で行くことこそ、超積極野球だ。

 ここから投打を立て直し、4月中に首位と5差までに縮めることに全力で取り組もう。次のステップは5月中に3差にすること。そうすれば戦える位置につける。こう考えた方が、何を目標にし、どう戦っていくかがチームとして共通理解できる。追いつくべきターゲットを見える化することが大事だ。

 試合の流れを変えたのは4回の大山の本塁打だ。大瀬良の初球の変化球を見逃し、相手バッテリーに直球狙いだと思わせ、変化球を続けたところを左翼スタンドに運んだ。駆け引きの中で流れを取り戻すテクニックを発揮した。勝利への最短ルートは走者を置いて佐藤輝、大山の打席に回すことだ。9日は体力勝負のデーゲーム。主軸としての自覚があれば、少々寝不足でもパフォーマンスに影響することはないと見る。(スポニチ本紙評論家)

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2022年4月9日のニュース