阪神・湯浅の34球 新守護神が好守&気迫投球で2回無失点 執念継投で虎今季初ドロー

[ 2022年4月9日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3ー3広島 ( 2022年4月8日    甲子園 )

<神・広>10回に続き11回も無失点に抑え雄たけびをあげながらベンチへ戻る湯浅(撮影・大森 寛明)
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 阪神は8日の広島戦を今季初の引き分けで終えた。6日のDeNA戦から2試合連続の延長戦。延長10回から登板した湯浅京己投手(22)が初体験の回またぎで2回無失点の力投を見せた。今季両リーグ最長4時間53分に及んだ総力戦で課題だった救援陣が5回以降を零封。若き新守護神が勝利を締めくくる勇姿を早く見たい。

 22歳の新守護神が、自力で奪った「ビッグアウト」に何度も吠えた。延長11回無死一塁で堂林の投前バントを処理した湯浅が“舞った”。素早い身のこなしでノーステップで二塁へ送球。一塁走者を封殺すると、ボールは一塁へ転送されて併殺が完成した。

 「バントの構えをしている時から、セカンドで殺すつもりで投げていたので、転がった瞬間にいけると思って迷わずいきました」

 延長10回を打者3人で抑え、延長11回も続投した。昨季のデビューから数えて8戦目。初めて経験する回またぎだった。先頭の上本に粘られ、15球を要して四球。体力も気力も消耗した中、嫌な流れを好守で一気に断ち切った。

 最後は先月29日にサヨナラ打を浴びた西川に対して150キロを外角に決めて見逃し三振。「自分の中でやり返すという思いがあった」。不振のケラーに代わる新守護神として堂々の仁王立ちを見せ、「0点に抑えることができて本当に良かった」と濃密な34球を振り返った。

 開幕12試合目とは思えない必死の継投策だった。藤浪を4回で諦め、2点劣勢の5回から救援陣を投入。新人の桐敷は左打者3人と対戦し、1死一、二塁を残して代わった浜地が後続を断った。1点差に詰め寄った直後の6回にはブルペンに配置転換されて初日の小川が登場。2死一、二塁を背負っても菊池涼を直球で見逃し三振に仕留め、「与えられた場面で頑張ることが自分が今求められてること。どんな形でもゼロに抑えて攻撃につなげることができて良かった」とうなずいた。

 2回完全のアルカンタラ、9回の窮地を切り抜けた岩崎を含めて5回以降は零封した。開幕3連戦で先発した藤浪、小川、桐敷がわずか2週間で同じ日に登板。矢野監督は「どの状況も、みんな苦しい場面やったけど、精いっぱい攻めていってくれたし、その中でゼロで行けたのも大きい」と光明を見い出した。白星には届かなくても、湯浅を新たな旗印としてブルペン陣は形ができつつある。力を合わせて踏みとどまったドローで風向きを変えたい。(遠藤 礼)

 《13年ぶり2戦連続12イニング》阪神―広島は延長12回、今季両リーグ最長の4時間53分を戦い引き分け。阪神は6日のDeNA戦も延長12回で敗戦。2試合連続で延長12回まで戦うのは、09年7月10日巨人戦(●5―7)、11日巨人戦(△2―2)以来13年ぶり。

 《借金丸抱え…》ヤクルトが勝率5割に復帰したことで、阪神はセで唯一、借金を抱えることになった。阪神のリーグ借金丸抱えは、20年7月2日以来2年ぶり。

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