131日ぶり1軍で躍動!阪神・中野が決勝三塁打 開幕遊撃へ「アピールしないといけない立場」

[ 2022年3月19日 05:30 ]

オープン戦   阪神3-2オリックス ( 2022年3月18日    京セラD )

<オ・神>7回1死三塁、中野は右翼線へ適時三塁打を放つ(撮影・平嶋 理子)
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 阪神・中野拓夢内野手(25)が18日、オリックス戦(京セラドーム)で今春初の1軍復帰を果たした。春季キャンプは下肢のコンディション不良の影響で2軍スタート。「9番・遊撃」でフル出場を果たし、2―2の7回1死三塁では決勝の適時三塁打で存在感を見せつけた。不安要素であった走塁でも全力疾走を見せるなど走攻守でアピール。開幕スタメン・遊撃へラストスパートをかける。 

 復帰即、最高の結果で猛アピールした。梅野の同点打が飛び出した直後の7回1死三塁。今春1軍わずか3打席目だ。比嘉が投じた内角のスライダーを中野が引っ張った。痛烈な打球が一塁線を破ると一気に加速。下半身の不安を一掃する決勝の三塁打で全快を証明した。

 「アピールしないといけない立場は変わらないので、1本出てよかった。強く振ろうと思っていた」

 久しぶりの歓声が心地よかった。1軍出場は実に昨年の11月7日、クライマックス・シリーズ(CS)ファーストステージ・巨人戦(甲子園)以来、131日ぶりだった。「改めて(1軍でプレーするのは)楽しいというのもあったんですけど、やっぱりしんどさも感じた」。遊撃の守備でも軽快な動きを披露するなど堂々の無失策。フル出場させて状態を確認した矢野監督も安堵(あんど)した様子だった。

 「いいポイントで打っているし、守備もいい形で取れている。拓夢らしさというのは出してくれた」

 復帰までは時間を要した。昨年の秋季練習で下肢のコンディション不良を発症し、今春キャンプは2軍スタート。再発防止と完治を優先させるためリハビリは慎重を期した。我慢の日々が続く中で段階を踏んでたどり着いた1軍舞台だった。

 2軍のコロナ下にも見舞われた影響で復帰計画も狂った。実戦復帰は11日に教育リーグ・中日戦(鳴尾浜)となった。それでも開幕・遊撃を見据え、2軍戦では6試合に出場して試合勘を取り戻してきた。

 「同じポジションの人の結果は常に気になっていました。再発しないことを第一に考えていた。いろんな人にサポートしてもらってきていたので、なんとかしてやろうという気持ちがあった」

 木浪、小幡が遊撃争いを展開する中、焦りを感じながらも自らと向き合ってきた。1年目の昨季は遊撃のレギュラーに加えて盗塁王のタイトルも奪取。「今年は開幕ショートで出たい気持ちが強い。残り2試合アピールして開幕スタメンを取れるように頑張りたい」。開幕までに残された時間は残りわずか。いきなり存在感を示した若虎の逆襲が始まった。 (長谷川 凡記)

【阪神・中野の経過】
 ☆1月10日 昨秋練習中に下肢のコンディション不良を発症していたことが判明。
 ☆2月1日 2軍の高知・安芸でキャンプイン。別メニュー調整。
 ☆同11日 キャンプ臨時コーチの元陸上選手・秋本真吾氏から“故障再発防止走法”を学ぶ。
 ☆3月4日 鳴尾浜の2軍全体練習で今春初めてフルメニューを消化。
 ☆同11日 教育リーグ中日戦で実戦復帰。2番・遊撃で2打数1安打。
 ☆同13日 3度目実戦の教育リーグ中日戦でフル出場。2番・遊撃で4打数無安打。
 ☆同15日 大経大との練習試合で盗塁企図。失敗も足の不安要素なしをアピール。

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