秘境ナインに吉報届いた!福島・只見、21世紀枠で甲子園初出場

[ 2022年1月28日 15:12 ]

吉報が届いた福島県立只見高校
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 第94回選抜高校野球大会(3月18日から13日間、甲子園)の選考委員会が28日に行われ、出場32校が決まった。21世紀枠では福島県の只見が選出され、春夏通じて初出場。日本有数の豪雪地帯で、今冬は約2メートルの積雪を記録している人口約4000人の町は、ひとあし早い“春の訪れ”に沸き返った。

 午後3時すぎ、待ちに待った吉報が届いた。マネジャーを含め15人の野球部員が夢見た「甲子園」が、現実のものとなった。

 学校がある只見町は福島県の最西端に位置する。積雪により生活に著しい支障が生じる地域として「特別豪雪地帯」に指定され、奥会津の“秘境”とも言われる。全校生徒は86人。過疎化、少子高齢化が進む中で「山村教育留学制度」により、全国各地から生徒を募集しており、町営の寮で生活しながら勉学に励む生徒もいる。

 そんな環境の中で、懸命に努力する野球部の姿は、町に活気と勇気をもたらしてきた。室内練習場はなく、グラウンドが雪で埋まる冬場には駐輪場や屋内通路を使い練習。工夫を重ねながら実力を磨き、昨秋の福島県大会で創部初の8強入りを果たした。

 昨年12月、21世紀枠の東北推薦校に選ばれた際、吉津塁主将(2年)は甲子園出場が決定したら「常に笑顔と全力プレーで、支えてくれる人々に恩返しをしたい」と語っていた。その機会が間もなくやってくる。

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2022年1月28日のニュース