阪神ドラ1・森木 大谷やダルと同じ超一流の調整法披露 6種類のボールでインナーマッスル強化

[ 2022年1月20日 05:30 ]

ブルペンで投げ込む森木(球団提供)
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 阪神のドラフト1位・森木大智投手(18=高知)が19日、兵庫県西宮市の鳴尾浜球場で新人合同自主トレに参加し、エンゼルスの大谷やパドレスのダルビッシュも使用している米国のトレーニング施設「ドライブラインベースボール」考案のプライオボールを、調整に導入していることを明かした。あくなき向上心を持つ右腕はこの日、今年2度目のブルペン入り。完成度の高い投球で首脳陣をうならせ、さらなる飛躍を誓った。

 ベースランニングを終えた森木がキャッチボールをするために用意したのは、重さ150グラムに満たない通常の硬式球ではなく赤い球だった。それを使った数球の肩慣らしを挟み、白球を握った。

 「(ボールを)投げていく中で、インナー(マッスル)が締められる感じがする。大谷翔平選手も使い始めて、去年いい結果が出たことも知っています」

 森木が握った赤い球の正体は、近年、国内外の超一流選手が技術向上のために使用する「ドライブラインベースボール」考案のプライオボール(重さの違う6種類のボール)だった。昨季、エンゼルス・大谷が肩肘の強化やフォームの再現性向上などの目的で導入し、パドレスのダルビッシュも以前から使用。森木はインナーマッスルを締める目的で入寮時に自費購入し、最初は興味本位で使い始めたという。

 キャッチボール時に10以上のチェックポイントを持つなど、随所に意識の高さをうかがわせる森木。この日は硬式球よりも少し重い225グラムのボールを選択し、調整に使用した。「リリースのタイミングもけっこう分かってきますし、(タイミングが)ずれたら、その分(球が)抜ける」と効果を実感しており、「たぶん持っていく」とキャンプに持参する予定。新たなルーティンに加わりそうだ。

 特製ボールに頼らずとも、すでに完成度は超高校級と言える。この日は新人合同自主トレ2度目のブルペン入り。直球を上からたたいて投げるイメージをふくらませるために直球とカーブを交互に織り交ぜ計18球(カーブ8)を投じた。「前よりは良かった」とした一方で「真っすぐの質はまだまだ上げられるので、その部分は上げていきたい」とさらなる進化へ余念はない。

 その球威は投球を視察した久保田2軍投手コーチに「僕よりすごい。力強いというか、おとといより力みなく投げられていた。それでもあれだけのボールを投げられるのはいい」と言わしめ、「早い段階でゲームに入っていけるのかな」と大きな期待も抱かせた。

 この日で第3クールが終了。「(休日は)いっぱい寝たいです。(目覚ましも)かけずに」。猛虎期待の最速154キロ右腕。グラウンド内外でメリハリを付け、超一流への道を歩む。(石崎 祥平)

 ▽ドライブラインベースボール 米シアトルにあるトレーニング施設でトレーナーや医師、動作分析の専門家などさまざまな分野のプロが常駐。科学的で安全な指導が受けられると評判を呼び、現役選手やドラフトを目指す大学生など年間約500人が利用している。施設特注のプライオボールは重さ2キロ、1キロ、450グラム、225グラム、150グラム、100グラムの6種類。効果的に使い分けパフォーマンス向上を図ることができ、阪神では藤浪、西純も導入している。

 《「食トレ」で成人男性の約2倍の食事量を摂取》森木は「食トレ」に取り組んでいることも明かした。「(寮に)栄養の講師の方が来てくれて、自分は(体づくりのために)1日に4500キロカロリー以上を取らないといけないので」。一般的な成人男性の1日の推定エネルギー必要量は2500キロカロリー前後とされ、森木はその2倍近い食事量を摂取中。「ご飯の量もエネルギーの量に合うように、毎食400グラム以上は白いご飯を食べるようにはしています」と毎食、茶わん約2杯以上の白米を平らげている。

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