広島・菊池涼 守備の極意若手に伝授 誠也の抜けた穴「新しい力は絶対必要。弱くなったと言われたくない」

[ 2022年1月13日 05:30 ]

自主トレを共にする若手野手(右から)ノックを受け手本を示す菊池涼(左から3人目)
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 広島の菊池涼介内野手(31)が12日、静岡市で自主トレを公開した。主砲・鈴木誠也のメジャー移籍が濃厚となり、4番が抜けた中での戦いを強いられる今季。名手は、エースの前田健太が抜けながらリーグ制覇した16年の例を挙げ、若い力の台頭を求めた。ゴールデングラブ賞を今季受賞すれば並ぶ10年連続のセ・リーグ最多記録には無欲を強調した。

 快晴無風の清水庵原球場。菊池涼は若手の羽月、矢野らとともにノックを受け、軽快なハンドリングやフットワークを披露した。時折、ジェスチャーを交えながら、体の使い方や足の運び方をアドバイスする。表情には充実感があふれていた。

 「若い選手が来ているので、何か少しでも伝えられたらいいな…と。今日より明日、明日よりあさって。少しでもできるようになればいい。僕も一緒にやって刺激を受けている」

 11年目。責任の大きさを自覚する。佐々岡監督をして「レギュラーはキクだけ」と言わしめ、若手選手の指南役としても期待される今季。「期待もあり、責任もある。言葉に甘んじないように、がむしゃらにやっていきたい」と力を込める。

 危機感はある。主砲の鈴木がメジャーに挑戦し、4番が抜けた中での戦いを強いられる。「痛いのは痛い。でも誰かが居なくなったから弱くなったと言われたくない」。エースの前田が抜けながら、25年ぶりにリーグ制覇を果たした16年を例に挙げて強調する。

 「逆に言えば、チャンスだと思って出てくる選手がいると思う。そういう新しい力は絶対に必要。特に空いたポジションの選手はそう思わないと、上にはいけないと思う」

 偉業に王手をかけている。9年連続でゴールデングラブ賞を受賞中。今季も輝けば、球団OBの山本浩二が1972~81年にマークした10年連続のセ・リーグ最多記録に並ぶ。「獲りたいのは獲りたい」。そう言いながらも至って自然体だ。

 「毎年目標だけど、賞を獲るために守っているわけじゃない。チームが勝つために、何とかしたいという思いでフィールドに立っているので、シーズンが終わってからの結果」

 忍者と形容される超人的なプレーは健在。名手は堅守と行動でチームを引っ張り、栄冠をたぐり寄せる。(江尾 卓也)

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