大谷に恩返しの「SHOW TIME」 今季打席登場曲で後押し「ALI」ボーカルLEOが語る感謝と新曲

[ 2021年12月31日 05:30 ]

ALIのLEO

 エンゼルス・大谷翔平投手(27)が今季の打席登場曲とした「LOST IN PARADISE feat.AKLO」を歌う多国籍ファンクバンド「ALI(アリ)」のボーカルで、リーダーを務めるLEO(34)がスポニチ本紙の取材に応じた。元メンバーが電子計算機使用詐欺などの容疑で逮捕、起訴されたことを受けて5月に無期限活動休止も、11月18日に活動再開を発表。天国も地獄も味わった男が、感謝の思いなどを熱く語った。(取材・柳原 直之)

 軽快なビートに乗り、背番号17が打席に向かう。21年、ファンが何度も夢を乗せたこの場面に、誰よりも心を熱くした男がいる。ALIのボーカルを務めるLEOは「本当にうれしかった。こんな未来を想像していなかった」と目を輝かせた。

 46本塁打&9勝で満票でのシーズンMVP受賞。そんな成績を残すことなど、まだ誰も想像していなかった今季開幕戦。大谷は打席登場曲を一新した。ALIの「LOST IN PARADISE feat.AKLO」。人気アニメ「呪術廻戦」のエンディング曲で、日米ファンの間で話題となった。LEOにはまさに夢心地。だが事態は暗転した。数日後、メンバーが還付金詐欺の被害金を引き出したとして、電子計算機使用詐欺などで逮捕。無期限活動停止となり、CDおよび映像商品の出荷停止、店頭在庫回収、音源や映像のデジタル配信停止にまで追い込まれた。

 「きつかった。音楽って消えないものだと思っていたけど、消さなきゃいけない」。ストレスで難聴となった時期もあった。支えになったのは大谷だった。登場曲を使い続けてくれたことが一筋の光だった。当時世界中でエンゼルスタジアムだけで曲が流れ続けた。

 ♪I won’t give up the fight in my life(人生で戦うことを諦めない)。歌詞は大谷の二刀流への思いと重なって響いた。復帰を信じ、楽曲を作り続けた。感謝の思いを込めて完成させた新曲のタイトルは「SHOW TIME」。「ついにスポットライトが来た、という気持ちで書いた。応援歌になればうれしいし、ラブレターでもあります」。約半年間の休止を経て11月18日に活動を再開。「SHOW TIME」は来春の配信に向けてレコーディングを進めている。

 「大谷選手には(登場曲として)続けられる限り使ってほしい」と願う一方で「本人が一番(打席で)気持ち良い状態にいることを望んでいるので、使わなくても応援します」と素直な思いを口にした。そしてALIとしての夢を「二刀流に挑戦した大谷選手と同じように、(米音楽界最高栄誉の)グラミー賞を獲りたい。あり得ないだろってことを何とか形にしたい」と語った。先入観は可能を不可能にする――。大谷が大事にする言葉は、胸に刻まれている。

 ◇LEO(レオ)1987年(昭62)1月27日生まれ、東京都渋谷区出身の34歳。本名・今村伶央。16年結成の「ALI」のボーカルでリーダーを務める。20年11月25日リリースの「LOST IN PARADISE feat.AKLO」はサブスクリプション(定額聴き放題)の総再生回数は5000万回を突破。妻は元E―girlsの藤井萩花。

 ▽21年の大谷 4月2日のホワイトソックス戦で1号2ランを放ち、同26日のレンジャーズ戦で初勝利。7月7日のレッドソックス戦の32号で松井秀喜を抜き、シーズン日本選手最多に。球宴では本塁打競争に参加し、試合では史上初めて投打の両方で先発出場した。8月18日のタイガース戦で40号、9月3日のレンジャーズ戦で9勝目。ゲレロ(ブルージェイズ)らと激しい本塁打王争いを繰り広げたが、一歩及ばず。それでも満票でア・リーグMVPに選ばれた。

 【大谷の登場曲】

 ☆投手・大谷 日本ハム時代の13年はヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの「ザ・パワー・オブ・ラブ」。14年はPerfumeの「Party Maker」。15年からアフロジャックVSサーティー・セカンズ・トゥ・マーズの「ドゥ・オア・ダイ(リミックス)」。

 ☆打者・大谷 同13年はTRIPLANEの「ドリームメイカー」。14年はmiwaの「キットカナウ」。15年からエンゼルス移籍後の20年までオリー・マーズの「ラップド・アップ」。19年5月には一時的に人気ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のテーマ曲に変えたことも。

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