新庄ビッグボス 発信力でチームへの注目度アップ 来春キャンプでも…“変化”楽しみ

[ 2021年12月9日 09:00 ]

<プロ野球12球団合同トライアウト>腰につけたヒーターを記者に見せる日本ハム・新庄監督
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 11月4日の監督就任会見で、自ら「目立ちま~す!」と宣言してから約1カ月。その言葉通り、ビッグボスこと日本ハム・新庄監督の話題は事欠かない。「オフはたくさんバラエティ番組に出て、ファイターズという名前を日本中の人たちに知ってもらいたい」と自ら広告塔としてメディアに露出。野球界のみならず各方面から大きな注目を集めている。

 様々なテレビ局のインタビューを通じて目についたのが新庄監督の質問力だ。槙原寛己氏(本紙評論家)、赤星憲広氏(本紙評論家)、藤川球児氏らに対し次々と逆取材。これまで指導者の経験がないだけに「分からないことは素直にスペシャリストに聞く」との姿勢が伝わってきた。決して偉ぶることはなく、後輩に対しても低姿勢で勉強するどん欲な姿勢が感じ取れた。

 華やかなスーパースターである一方、惜しげもなく自身の失敗談を打ち明けるのもファンを引きつける魅力の一つだろう。札幌ドームでファンフェスティバルが行われた11月30日に初めて全選手を前にあいさつした際は、舞い上がって言葉がまとまらず。そのやり取りを自ら面白おかしく明かし「選手は多分、ビッグボスは馬鹿だと思っている。“日本語しゃべれるの?、あなた”って。それくらいグダグダだった」と笑った。

 また同イベントでの登場に使って注目を浴びたカウンタックにまつわる失敗談も。阪神時代にアップを勝ち取った契約公開後にファンが群がる中でカウンタックに乗って帰る際「まあ、見とれやってグアーン、ウンウンウーン!」と爆音を響かせてどや顔で発進したまでは良かったが、しばらく走ったところでクラッチをつなげ損ねてまさかのエンスト。「ファンがいなくなったところでスポスポスポって止まった。止まって40分くらいJAFを待った。さっきまでキャーキャー言われてたのに…」と修理代に300万円かかったという自虐ネタまで披露して爆笑を誘った。

 まずは自らの発信力を生かしてチームに注目を集めることには成功した。来年も2月のキャンプから一番の注目を浴びることになるだろう。「営業妨害」と笑うが、指揮官の野球に対する思いや姿勢は真摯(しんし)そのもの。3年連続Bクラスで明るい話題も乏しかったチームがどのように変わるのか、担当記者として楽しみでならない。(記者コラム・東尾 洋樹)

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