松坂大輔さんに恩師・東尾修さんが“約束のボール”延長戦の願い「ライオンズのユニホームしか…」

[ 2021年12月4日 19:20 ]

<LIONS THANKS FESTA 2021>プレゼンターの東尾修氏(右)は花束を渡さず松坂さんと握手(撮影・尾崎 有希)
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 西武は4日、メットライフドームでは3年ぶりとなるファン感謝イベント「LIONS THANKS FESTA 2021」を開催。今季限りで現役を引退した松坂大輔さん(41)の引退セレモニーが行われた。

 横浜高校の渡辺監督(当時)、WBCでともに戦った王さん、巨人・原監督、そしてソフトバンク工藤監督、オリックスの中嶋監督…多くの恩師からのビデオメッセージを笑顔で見ていた松坂さん。その後、俳優の妻夫木聡(40)がサプライズで登場し熱い抱擁を交わした。

 続いて球場に登場したのは、98年に3球団競合の末に交渉権を引き当て、自らの200勝ボールを手渡し西武入りへ口説き落とした当時の監督で、それから今に至るまで変わらぬ師弟関係を築いてきた東尾修氏(71)だった。

 花束を手に照れくさそうに松坂さんの元へ駆け寄ると、花束を持ったまま記念撮影のカメラの方を向き笑顔。途中でそのことに気づき、松坂さんに何か突っ込まれながらニコニコと花束を渡した。この微笑ましい光景にメットライフに駆け付けたファンから大きな笑いと拍手が沸き起こった。

 そして「大輔、お疲れさま。今、映像で(ビデオメッセージの最初に登場した横浜高校の)渡辺監督が言ったことを聞いて、良かったと思った。(プロ1年目から)ちゃんと軌道に乗ってくれて…ホッとした」と23年間の「平成の怪物」の活躍をねぎらった。続けて「一つ、あなたが私に対して、約束がはたせていないもんがありますよね?分かっていますよね、何か。あのボールの件ですよね。ね。だから、一つまた新たな約束をしてほしいです、僕は。今度はぜひ破らないように。大丈夫ですか。はっきり、大丈夫ですか?今度は守ってくれますか、じゃあ」と詰め寄る。苦笑いの松坂さんは「いや、あの内容にもよるんですけど」と返すと、場内は大爆笑。すると東尾さんは場内のファンを巻き込みながら「西武ファンの皆さん、耳を澄まして聞いてください。大輔、今度帰ってくる時は、ライオンズのユニホームしか着ちゃダメだぞ!どうですか皆さん」と声を上げ、ファンも大きな拍手で賛同。「大輔自身の口から、守りますと言ってください」と畳みかける東尾さん。「こればっかりは、僕がやりたいといっても来れるわけではないんで…」としながらも「またライオンズに声を掛けてもらえるように、またこれからももっと野球を勉強して、戻ってこれるように努力します」と“約束”した。

 松坂さんは「昨日も別の仕事で一緒だったんですけど。全くそんな雰囲気出してなかったですね。お疲れーとか言ってサッと帰っちゃったんですけど。うまいなー。やっぱり東尾さんのピッチャーとしてのバッターに悟られない姿というんですかね。それをすごく感じましたね。やっぱり東尾さんの顔を見ると、一気にルーキーの年に引き戻されるというか、ルーキーのときの記憶が蘇ってきますね。マイクパフォーマンスですか?あれも東尾さんらしいなと思いました。すごくうれしかったです」と語った。

 98年のドラフト後に手渡された“約束の200勝ボール”。200勝した時に返すという約束は守れなかったが、松坂さんと東尾さんの師弟物語、200勝ボールの約束の続きが楽しみだ。

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