イチローさん 見せて 感じさせて 考えさせて 熱を持つ相手に同じ熱で返す誠実さ

[ 2021年11月30日 05:30 ]

イチローさん 国学院久我山で特別指導

国学院久我山高の選手を指導するイチローさん(手前)(代表撮影)
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 【笹田通信員が語る指導者イチロー】指導は体現から。引退から2年9カ月がたち48歳になったイチローさんは、今も変わらぬ体形を維持し現役さながらのパフォーマンスを示す。「求められたら見せてあげたい。それができれば説得力は増す」。シーズン中は誰よりも早く球場入りし、まず自身のトレーニングに励む。その熱と量は現役時代と変わらない。指導者としての基本姿勢だ。

 この日も打席に立てば本塁打を連発し、高校生からは「やばい」「えぐい」の声が飛んだ。昔の名前で講釈を垂れるOBとは一線を画し、自らのパフォーマンスを「見せて」「感じさせて」「考えさせる」のがイチロースタイル。高校生だろうとマリナーズの選手であろうと、熱量を持ち接してくる相手には誠心誠意、同じ熱量で返す。自らを律し相手と向き合う姿は指導者として実に誠実だ。

 指導は着実に結果につながっている。マ軍は今季18年ぶりに90勝に到達し2位。ポストシーズン進出まであと一歩だった。夏の甲子園で優勝した智弁和歌山もしかり。来春センバツに出場する国学院久我山ナインにとって、濃密かつ至福の時間となったことは間違いない。 (大リーグ担当・笹田幸嗣通信員)

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