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ヤクルト・川端「こんなに涙が出るとは…」34歳“代打の神様”今季初の延長戦で日本一決めるV撃

[ 2021年11月28日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2021第6戦   ヤクルト2ー1オリックス ( 2021年11月27日    ほっと神戸 )

<オ・ヤ>延長12回2死二塁、勝ち越し適時打を放つ代打・川端(撮影・岡田 丈靖)
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 チャンスは、あっても1打席。この一瞬のために、野球人・川端は生きている。そんな思いがぎっしり詰まった執念の一打だった。

 「3、4番が後ろに控えているので、つなごうという気持ちだった。いいところに落ちてくれた。最高の結果になった」

 出番は1―1で迎えた延長12回。今季初めて突入したプロ野球の延長戦で、アウトになれば勝ちがなくなる場面だった。2死一塁が、捕逸で2死二塁。最後はフルカウントから内角130キロスライダーに詰まりながらも、打球は遊撃の頭上を越えた。二塁走者の塩見がヘッドスライディングで生還。時計の針は、22時50分を指していた。

 少し前の川端は、日本一をたぐり寄せる一打など想像することもできなかった。昨年1月、2度目の腰の手術。手術の記憶は今も鮮明に残っている。局部麻酔で、映像を見ながらの手術。「亀裂が入った椎間板に血が入って、真っ赤だった」と振り返る。

 2度目となった懸命のリハビリ。「昨年、おととしは悔しい思いをした。諦めないで良かった」。患部は徐々に上向き、今年は2月の春季キャンプを5年ぶりに完走。シーズン中も腰のケアは欠かせないが「先発で出ている人の大変さは、よく分かっているので」と治療はレギュラー陣を優先。34歳のベテランは試合後2時間以上も後に、帰路に就くこともあった。

 15年のリーグ優勝時は首位打者で貢献。「代打の切り札」となった今季は代打で真中元監督が持つプロ野球記録に、あと1まで迫る30安打を放ち周囲からは「代打の神様」とあがめられるまでになった。

 今シリーズ2打席目での初安打。「シーズンからずっと彼の一振りに頼りっぱなしだった」と高津監督。頂点に立った川端は、目を真っ赤に腫らした。「メチャクチャうれしかった。こんなに涙が出るとは思わなかった」。神がかったバットがチームを頂点に導いた。(川手 達矢)

 ≪優勝決定試合での代打V撃は史上初≫川端(ヤ)が延長12回勝ち越しの左安打。シリーズの延長代打決勝安打は97年第2戦田辺徳雄(西=延長10回中安打)以来24年ぶり5人目。優勝決定試合での代打決勝打は、9回試合も含めて川端が史上初めてだ。また、ヤクルトでは92年第1戦杉浦享が延長12回にサヨナラ満塁本塁打して以来29年ぶり2人目になる。今季の川端は代打で30安打。2リーグ制後では07年真中満(ヤ)の31安打に次ぐ記録をマークしたが、シリーズでも大仕事をやってのけた。

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