【阪神新コーチに聞く・克則2軍バッテリーコーチ(上)】“野村イズム”うまく伝えていきたい

[ 2021年11月23日 05:30 ]

「選手との対話を大事にしたい」と語る野村克則2軍コーチ

 頂点に立つためには、何が必要なのか。阪神の秋季練習でチーム強化に取り組むコーチ陣に直撃した。第1回は今秋から阪神に復帰した野村克則2軍バッテリーコーチ(48)。

 ――秋季練習を見て雰囲気などは。
 「雰囲気は見ていていいと思うし、みんな選手一人一人見ていると能力も高い。来年に向けて始まっているっていう活気もある。すごくいいと思います」

 ――就任会見で取り組み方を重視と。
 「取り組み方を重視したい、というよりかは、練習に取り組んでいる姿勢。取り組み方というのは練習方法とかもあるから。彼ら選手たちがどういう練習と向き合って、自分と向き合って、やっているかというところが大事だと思うし、練習だけじゃなくて普段のところ。この練習が終わった後にどういうことをしているかとか、どういう取り組みをしているか、という。そういうところを見てからね、何を考えているというのは分かると思うし、彼らが抱えている課題とかというのも分かると思う。若い選手は、すごく精力的に取り組んでやっていると思います」

 ――ヤクルト入団時に野村監督から姿勢が大事と教わった。
 「そうですね。まあ全てというか、僕の基盤になっているのは、野村監督に教わったことだから。捕手論とか人を教育していくとかというところは、すごい言われたところだから。僕らもそうやってやってきているし、今の時代…とは言うけどね。やってきたものというのは間違いではないと思うし。それを、うまく伝えていけたらいいかなと思うけど」

 ――1、2年目に具体的に意識していたことは。
 「やっぱり、野村監督ってミーティングがすごい長くて有名と。でも結局、野球の技術のことをミーティングしたかといったらそうじゃなくて…社会人としてどうあるべきかとか、野球に対してどういうふうに取り組んでいくかとか、どういう姿勢でやっていくかとか、そういったことがメインだったから。それがメインの中で練習の時間は野球の技術を学ぶ、いろいろなことをミーティングされましたけど、基礎というか基本的なところを叩き込まれて。よく記事にもなっているけど、野村監督の教え子が監督になっている、コーチになっているとか言われているのは、そういうことが教わった部分なのかなと思います」

 ――指導の上で一番大切にしていること。
 「一番大事にしているのは選手としっかり会話すること。一方的にならないように。もちろん時と場合によっては注文を付けて一方的になる部分もあるかもしれないけど、やっぱり相手のことを、何を考えているのかということも大事だから。配球の話じゃないけど“なんでそのボールを投げたんだ”じゃなくて“なんでそのボールを投げて、その意図はなんなの?”というところが大事と思う。まあ配球は難しいところだから。選手との対話を大事にしたいかな。

 ――久しぶりに阪神に帰ってきた。
 「(ユニホーム)似合う?“違和感ない”って言われたんだけど。周りも、北川さんとか、もちろん矢野監督も、福原とかいるけど、知った顔だから。こっちは入りやすいといえば入りやすい。選手を見るのは初めてだから、そこはアレだけど。最初の入りは、すごく入りやすいかなと」

 ――巨人、阪神両球団を経験。
 「すごいでしょう?今、(阪神では)山本と俺くらいだからね」

 ――いろいろな球団を経験してきた中で阪神でプレーすることの難しさや良さは。
 「やっぱりすごく注目される球団だから、まあ、そこが一番の良さというか…活躍すると、すごく取り上げてくれる。だから他の球団よりはクローズアップされて、いいアピールになる。それはあると思う。あとは環境もいい。こんな素晴らしい…甲子園って、素晴らしい球場だから。僕は個人的に外の球場が好きだから。甲子園、すごくいい球場だなって思う。ここでプレーできるって最高だよ」

 ◇野村 克則(のむら・かつのり)1973年(昭48)7月23日生まれ、東京都出身の48歳。堀越から明大をへて95年ドラフト3位で父・克也のヤクルト入団。登録名は「カツノリ」。00~03年阪神、04年巨人、05~06年楽天に在籍。通算成績は222試合出場、打率・185、4本塁打、17打点。現役引退後は07年から楽天、巨人、ヤクルトでコーチを歴任。19年から楽天に戻り、今季は2軍育成捕手コーチを務めた。右投げ右打ち。

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