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槙原寛己氏 ヤクルト・高橋 生きたCSでの巨人・菅野との投手戦、オリ宮城よりスタミナで優位に

[ 2021年11月22日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2021第2戦   ヤクルト2―0オリックス ( 2021年11月21日    京セラD )

<オ・ヤ>完封勝利の高橋はガッツポーズ(撮影・村上 大輔)
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 【槙原寛己氏 シリーズ大分析1】オリックスが先手を取って迎えた日本シリーズ第2戦は、若き左腕同士の息詰まる投手戦となった。5回まで毎回走者を背負いながら先制を許さず、プロ初完封を果たしたヤクルト・高橋。オリックス・宮城は5回まで完全に抑えながら、8回に力尽きた。明暗を分けた要因を、本紙評論家の槙原寛己氏(58)が分析した。

 痛い逆転サヨナラ負けを喫して、迎えた第2戦。高橋は重圧のかかるマウンドで強気の投球に徹した。中盤までカーブ、スライダーでストライクが取れず、直球とチェンジアップのコンビネーション。その中でも直球は腕が振れ、内と外のコースに投げ分けられていた。

 宮城は5回まで完全。対照的に5回まで毎回走者を出しながらも粘っていた。投球が一変したのは6回の吉田正の打席だ。3球目の148キロ直球でファウルを奪い、続く真ん中低めのボールになるカーブで三振。カウント球にすらならなかったカーブで主砲から空振りを奪った。これで直球とチェンジアップだけで四苦八苦していた球種のバリエーションが増えた。尻上がりにというが、回を重ねるごとに安定した投球になり、完封につなげた。

 初戦黒星の後の第2戦。宮城は自分以上の完璧な投球をしている。先に点をやれない厳しい展開も高橋は精神的にタフだった。宮城は8回に降板したが、高橋が勝っていたのはポストシーズンでの経験だ。11日のCSファイナルS第2戦に先発した高橋は、巨人のエース菅野と投げ合い6回無失点。「負けられない戦い」の怖さを経験し、自信をつかんだ。一方の宮城はファイナルSに登板することなく、ちょうど1カ月ぶりの登板。精神的なスタミナの違いが中盤以降の差になった。

 私は94年巨人―西武の日本シリーズ第2戦に先発している。高橋と同じ初戦を落としての先発。しかも相手は西武のエース工藤公康だった。結果的に1―0完封で勝つのだが、この試合と同じように1点もやれない緊迫した展開。生きたのは「絶対に負けられない試合」の経験だった。当時はCSはなかったが、94年は中日との「10.8」の決戦があった。私はその試合に先発している。「それに比べれば」だ。日本シリーズの重圧は感じないといったらうそになるが、自分の投球に徹することができた。高橋は宮城との経験値の違いで勝ちを引き寄せた。

 ≪逆転したストライク率≫高橋は初回、2回とストライク率が50%台と制球に苦しんだものの、尻上がりに調子を上げ、ストライク率も上昇。最終的には66.2%で宮城を上回った。一方の宮城は完全投球だった5回まで70.4%という高さを誇ったが、先制点を許した8回は47.1%まで低下していた。

 ≪国内トップクラスの回転数≫高橋が軸とする球種は150キロ前後の直球。ヤクルトが球団公式サイトで提供している映像解析システム「ホークアイ」のトラッキングデータ(本拠・神宮のみ)によると、レギュラーシーズンでは平均球速が昨季から0.8キロ増の148.1キロ。回転数も国内トップクラスの2401まで上がっており、リリースポイントの高さも4センチ上がっている。

 ▼オリックス・吉田正(4打数無安打に封じられた高橋について)真っすぐに勢いがあって、いい投手。

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