阪神三塁争い勃発!大山VS輝 矢野監督が新たなオプションへ大山外野挑戦の方針明言

[ 2021年11月16日 05:30 ]

シートノックで左翼の守備に就く大山(撮影・大森 寛明)
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 阪神の秋季練習第2クール2日目の15日、大山悠輔内野手(26)が午前中のシートノックで一塁と左翼を守った。矢野燿大監督(52)は新たなオプションとして来春キャンプも外野に挑戦させる方針を明言した。最優先だった「三塁=大山」の構図が薄れ、入団時から内野志望を持つ佐藤輝明内野手(22)も含めて激しい三塁争いが勃発する可能性も出てきた。

 今季先発した122試合すべてで三塁を守ってきた大山が秋季練習では外野の練習に加わった。志願ではなく、チーム方針に沿った準備だった。矢野監督は来春キャンプでも外野に挑戦させる方針を示した。

 「来年春(のキャンプ)も試したい。もちろん(本職は)サードだし、ファーストがメインの中、レフトもやれると打席に立てる。“守れるんだな”というのがあると、俺的には助かるし、チームのためにもなると思う」

 前日14日に全体練習後の個別メニューで左翼でノックを受けるなど本格的な練習を開始。一夜明けてシートノックでは左翼と一塁に就いて打球を処理した。仮に大山が外野に回った場合、三塁の大本命には佐藤輝の名前が挙がる。矢野監督も「それは別に消しているわけでも何でもない」と否定しなかった。

 実際に大山が背中の張りで一時離脱した5月上旬は佐藤輝が三塁で12試合に先発した。左膝痛の影響で秋季練習は別メニュー調整のため三塁練習はしていない一方、万全で迎えるであろう来春は三塁の椅子を巡って激しい争いが巻き起こる可能性が出てきた。

 少なくとも今春は違った。内野志望の佐藤輝が三塁練習をしても、あくまで「三塁=佐藤輝」の方がオプションであり、常に「三塁=大山」が優先されてきた。主砲であり、主将でもあり、猛虎の根幹だったからだ。

 昨季は本塁打王を争い、さらなる飛躍を期待された5年目の今季。21本塁打で金本知憲(05~09年)以来の2年連続20発こそクリアしても、4番出場は10月18日の広島戦が最後で、終盤は先発からも名前が消える日があった。だからこそ矢野監督は奮起を望んだ。

 「サードでやりたいし、悔しいと思う。別にレフトをやりたくてってことじゃないと思うけど、チーム全体のこともある。逆に言うと、レフトで打って、サードに戻るということもあると思う。マイナスなことはないと思うから、悔しさを持ってチャレンジしてくれればいいと思う」。大山もこだわりを持つ定位置を譲る気は毛頭ないだろう。決意表明のように早出特守では三塁で汗まみれだった。(長谷川 凡記)

 ▼阪神・井上ヘッドコーチ 例えば(佐藤)輝明がライト、サードを守れるように、ポジションを複数やっていった方が幅が広がる。悠輔のレフトもありえないことじゃない。練習をし始めているということ。

 ▼阪神・田中2軍内野守備走塁コーチ(志願の早出の三塁特守に付き添い)打撃も課題だし、守備も課題だから。自分の課題だと思って朝からやりたいと言っている。明日もたぶんやると思うよ。

 ○…大山(神)の外野で先発出場は昨季10月21日の広島戦(甲子園)での「4番・右翼」が最後で、このときプロ初の先発右翼だった。過去外野で先発した17試合のうち16試合が左翼で、こちらは昨季6月20日の巨人戦(東京ドーム)5番での出場が最後。今季は先発122試合すべて三塁。途中出場、守備位置変更を含めても三塁と一塁だけで、外野は守っていない。

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