エンゼルス・大谷 三刀流でチーム&自分を救う 同僚の負担軽減で故障者減らしマーク分散

[ 2021年11月16日 05:30 ]

会見する大谷(撮影・尾崎 有希)
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 エンゼルス・大谷翔平の目は真剣だった。記者会見で、ジョー・マドン監督が来季の外野出場を増やす構想を持っていることを問われ「マウンドを降りた後は今年も何試合か守ったりしていた。それはその通り」と、うなずいた。

 今季は投打同時出場した試合で4度、降板後に守備に就いた。DHから左翼が1試合、代打から右翼が2試合を含めると、外野出場は8回1/3(守備機会はなし)。「来年のチームのバランスによって」とした上で、外野でスタメン出場する可能性について「一つ選択肢が増える。できるに越したことはない」と前向きに話した。

 大谷の外野出場増加は自らにも、エンゼルスにも好影響を与える可能性が大きい。7年連続でポストシーズン進出を逃した今季はMVP3度のトラウト、19年打点王のレンドンが長期離脱。近年はどのチームも連戦の負担軽減を目的にDHを持ち回りで務めるケースが多いが、今季は大谷がDHで常時出場したため、どの選手も連日守備に就く状況が続いた。今季の敬遠四球はリーグトップの20を数えたことに、大谷は「主軸の打者がケガで離脱しているのが(四球が)増えている要因。おそらく来年はそうならない」。他の野手の負担軽減で故障者も減り、大谷へのマークも分散する好循環だ。

 今回の会見に至った経緯を「多くの(取材の)要望を頂いたが一社一社お答えするのが時間的にも厳しかった」と説明。オフの休養、トレーニングとケアに専念するためでもある。シーズン終了直後は体を休めることに専念し、10月30日に帰国。隔離期間中は自宅でトレーニングを重ね、14日から屋外での練習をスタートさせた。

 「スローイングはちょうどこの後から投げます」。来季は投げて、打って、走る、そして守る。大谷はいつだって想像を超えてくる。(柳原 直之)
 ≪守備機会なし≫大谷の今季外野出場は7試合。先発投手として登板後、外野に回ったのが4度、DHから外野に入ったのが1度、代打出場から守備に就いたのが2度だった。うち右翼が6試合で、左翼が1試合。計8回1/3の外野出場で一度もがなかった。メジャー4年目で初めての守備となった4月24日の敵地でのアストロズ戦は、「2番・DH」で先発し、8回無死二塁の場面で左翼へ。日本ハム時代の14年7月13日のソフトバンク戦で「3番・左翼」で出場して以来7年ぶりの外野守備。日本ではプロ1年目の13年に54試合、14年に8試合、外野手として先発出場した。

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2021年11月16日のニュース