巨人・原監督 勝利引き寄せた3回の強攻策 代打・八百板の安打から逆転

[ 2021年11月8日 05:30 ]

セCSファーストS第2戦   巨人4ー2阪神 ( 2021年11月7日    甲子園 )

<神・巨>3回無死一、二塁、代打・八百板は右前打を放つ(投手・青柳)(撮影・大森 寛明)
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 【追球ズーム ここにFOCUS】条件、状態、戦況。巨人・原監督が、3つの根拠から導いた強攻策が勝利を引き寄せた。参謀である元木ヘッドコーチも「俺もバントかなと。打たせたから、凄いと思った」と驚いた場面は3回無死一、二塁だった。

 2点を追う劣勢。投手の代打に起用した八百板は、バントのそぶりも見せずに4球目を右前打した。レギュラーシーズン2安打の左打者が拡大した無死満塁から3点の逆転劇。指揮官は「八百板に懸けた」としたが、強攻策選択には3つの要素があった。

 ≪条件≫コロナ下での2年ぶりのCSは、9回打ち切り、勝敗が並んだ場合は上位チームが勝ち抜けなど特殊ルール。3位・巨人にとっては引き分けは負けと同等だ。犠打に成功し2点適時打では同点止まり。一気に逆転を狙う策だった。

 ≪状態≫「監督も練習で“いいよな”と言っていた」と元木ヘッドコーチ。試合前練習で右中間に柵越えを放つなど、八百板の状態の良さを把握していた。

 ≪戦況≫原監督は「向こうの先発投手も苦しんでいた」と阪神・青柳が味方の失策からリズムを崩した場面で、犠打で簡単にアウトを与えるのは得策ではないと判断した。

 一転して、3―2の8回無死一、二塁は亀井が犠打を決め、ウィーラーの中犠飛で追加点を挙げた。第1戦では0―0の5回無死一塁でウィーラーが来日7年目の初犠打。特殊なルールの中で勝つための勝負手だった。(田中 健人)

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2021年11月8日のニュース