ソフトバンク・甲斐が29歳の誓い “脱・三振王”&“右打ち向上”へ「つなぎができる打者になります」

[ 2021年11月6日 05:30 ]

王会長兼特別チームアドバイザー(奥)が見守る前で打撃練習する甲斐(撮影・岡田 丈靖)
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 ソフトバンク宮崎秋季キャンプの第1クール2日目となった5日、29歳の誕生日を迎えた甲斐拓也捕手が「脱・三振王」と「右打ち向上」を誓った。今季の全試合出場には納得しつつ、リーグ最多の142三振を猛省。打撃練習では逆方向の右打ちに徹した。打線のつながりを重視し「2番・捕手」も視野に入れる藤本博史新監督(57)に応えるべく、チーム打撃でも要となる。

 藤本体制で初のバースデー。29歳になった甲斐は新たな誓いを立てた。この日の打撃練習。マシンでは26スイングし柵越えは0本。徹底して一、二塁間、中堅、右翼方向にライナーや強いゴロを打ち続けた。

 「藤本監督には2軍のときから(チーム打撃の)指導をしてもらっている。しっかりと続けて、つなぎができる打者になります!」

 今季、甲斐は球団捕手では04年の城島以来となる全試合出場を成し遂げた。3年連続2桁となるキャリアハイの12本塁打もマーク。野村克也、城島健司と憧れる強肩強打の捕手像に近づいたかに見えた。一方で、リーグワーストの142三振を喫した。

 藤本監督は、4日のランチ中の面談で「三振142は多いよね。ホームラン2桁は立派だけど、差し引いたらマイナスじゃないか。打線とは線。(打線は)点では得点にならない」と“三振王”からの脱却を、やんわりと促していた。具体的な方策も伝授した。

 「もう少し右方向を打つとか。走者がいなかったら、打てるなら(一発を)狙っていいが、走者がいる場面ならチャンスを広げるためにつなぎも大事。そうすれば、三振は少なくなってくるよ」

 新指揮官は三振の減少と「つなぎ」の大切さを説く。構想に、打線の新オプションがあるからこその注文だ。

 2番に右打ちができる右打者を置き、奇襲や変化を狙う。甲斐も今季5月22日オリックス戦でプロ初の「2番・捕手」は経験済み。今宮らも候補だが「捕手だから、2番がだめ、という固定観念はない。線をつくってくれ」。指揮官に期待を寄せられている甲斐は「来年の誕生日にリーグ優勝。最高の結果を迎えられたらいいな」と応じた。

 もちろん、「(一発を)消す必要もないし、状況によっては振っていく。そんな話も(監督と)したので」と長所は残すつもり。練習でも、打撃投手相手には絶好球が来れば強振し、18スイングで5本の柵越えを放った。

 第2クールではチームバッティングの実戦形式も始まる予定。状況に応じて、つなぎ役として右打ちを磨き、新指揮官を男にする。(井上 満夫)

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2021年11月6日のニュース