エンゼルス・大谷 選手が選んだ最優秀選手2部門で最終候補に 29日に発表

[ 2021年10月23日 02:30 ]

エンゼルスの大谷翔平
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 大リーグ選手会が21日(日本時間22日)、選手間投票で選ぶ「プレーヤーズ・チョイス・アウォーズ」の各部門の最終候補を発表。エンゼルス・大谷翔平投手(27)が、年間最優秀選手「プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」と、ア・リーグ最優秀野手に贈られる「アウトスタンディング・プレーヤー・アウォード」の2部門で選出された。しのぎを削ったメジャーリーガーからも「二刀流」が高く評価され、野手のみでもリーグの顔の一人と認められた証。最終結果は28日(同29日)に発表される。

 ライバルたちから認められた。投打「二刀流」で歴史的シーズンを駆け抜けた大谷の存在は、現役メジャーリーガーにとっても衝撃的だったことが、改めて形となった。

 9月に実施されていた選手間投票で、さまざまな部門の秀でた選手を選出する「プレーヤーズ・チョイス・アウォーズ」。最優秀投手、野手、新人、カムバック賞など各リーグ1人ずつを選ぶ部門では、大谷はア・リーグ最優秀野手となる「アウトスタンディング・プレーヤー・アウォード」で最終候補入り。そして、両リーグから1人を選ぶ年間MVPに相当する「プレーヤー・オブ・ザ・イヤー=年間最優秀選手」部門では、ブルージェイズ・ゲレロ、フィリーズ・ハーパーとともに最終候補3人に入った。

 98年に第1回表彰がスタートした同賞。日本選手では過去、イチローが01年にアの最優秀新人、04年に同最優秀野手に選出されたことがあるが、年間最優秀選手受賞はない。

 大谷は今季、投手として9勝2敗、防御率3.18、野手ではリーグ3位の46本塁打を放ち、100打点、26盗塁の成績を残した。すでに、全米野球記者協会(BBWAA)会員らの投票で決まる、米誌ベースボール・ダイジェストの「野手部門最優秀選手」を受賞。また、各リーグで傑出した打者をファン投票などで選ぶ「ハンク・アーロン賞」の最終候補7人にも選ばれた。だが、今回は同じグラウンドに立って戦ったメジャーリーガーによる投票だっただけに、大きな意義を持つ最終候補入りとなった。

 今季は7月のオールスター戦出場投手を決める選手間投票でもア・リーグ投手5位。オールスター戦での二刀流出場を後押しされた形になった。11月に発表予定のシーズンMVPも最有力候補。グラウンド内外からの人気と、ライバルが認めた実力での受賞ラッシュに、期待は高まるばかりだ。

 ≪奥田秀樹通信員が解説 受賞の意味≫98年。最初の「プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたのは、ロジャー・マリスの本塁打記録を37年ぶりに塗り替え、70本塁打を放ったマーク・マグワイアだった。99年は23勝4敗、防御率2.07と圧倒的な投球を見せたレッドソックスのエース、ペドロ・マルティネス。最近でも11年がジャスティン・バーランダー、12年がミゲル・カブレラ、14年がクレイトン・カーショーなど、最高の活躍に加えて、敵味方を問わず周りの選手から「ベスト」と敬意を払われた選手が、両リーグからたった一人、選ばれている。

 賞の権威、社会的認知度では、BBWAAの記者が選ぶMVPにはかなわない。だが、フィールドで相まみえる選手たちに「メジャーの顔」と認定される意味は大きい。イチローは01年にア・リーグMVPに輝いたが、その年の「プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」は73本塁打で、前出のマグワイアの記録を塗り替えたバリー・ボンズだった。大谷が日本選手で初めて受賞となれば、「二刀流」がメジャーリーガーに与えたインパクトが、どれほど大きかったかを示すものになる。

 ライバルはブルージェイズのゲレロとフィリーズのハーパーだが、私は二刀流でセンセーションを起こし、社会的インパクトも大きかった大谷が有望だと感じている。

 ▽プレーヤーズ・チョイス・アウォーズ MLBの選手会が選手間投票で選出する「プレーヤーズ・チョイス・アウォード」は1992年に始まった。開始当初は「カムバック賞」の選出のみで、各リーグ最優秀選手は93年から、同最優秀投手、最優秀新人は94年から選出されるようになった。両リーグから1人を選出する年間最優秀選手「プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」は98年からスタート。投票は9月中旬に行われる。

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