阪神ドラ1・森木、夢はモリモリ 160キロ! 2年目ローテ入り10勝! 打者も挑戦!

[ 2021年10月13日 05:30 ]

阪神に指名あいさつを受け「世界の鐘」の手綱を手に笑顔でポーズを決める高知・森木(撮影・坂田 高浩)
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 阪神からドラフト1位指名された高知・森木大智投手(18)が12日、高知市内の同校で嶌村聡球団本部長、畑山俊二統括スカウトらから指名あいさつを受けた。先発ローテーション入り、2桁勝利…と目標を挙げ、球速160キロにも思いをはせた。そして、打者としても挑戦したいと大きな夢を語った。 

 遠投の距離は塁間の2倍くらいか。森木はセットポジションからほぼ全力で腕を振った。「あ~。ちょっとシュート回転したか…」。でも、笑顔。野球が楽しいと顔に書いてある。最速154キロにはおそらく届いていないが、ナイター照明に照らされた軌道はスゥーと伸びていた。15球。塁間くらいまで詰めてからカーブも7球、感触を確かめた。

 「今日はブルペンに入っていませんが、週に3度くらいは入っています。新チームの紅白戦にも登板していますよ。この間、150・7キロが出ました。今は一番得意にしているカーブをもう一度磨こうと思っています」

 これが虎の“初投げ”だ。学校からクロスバイクを20分こいで、3年間を過ごした山あいにある野球部専用グラウンドへ。打撃練習でもプロを意識して木製バットで後輩と張り合っていた。高知の練習ユニホームでも、心はすでにタテジマをまとっていた。

 昼に阪神球団から指名あいさつを受けた。プロ入りへ気持ちは高まっている。

 「1年目は体づくりとかが優先になってくると思うのですが、1軍で10試合くらい、2年目、3年目に先発ローテに定着して、2桁勝利を挙げたいですね。球速は徐々に出て160キロを出したいなと思います」

 野球少年のように目を輝かせて、どんどんと目標を言葉にした。そして、大好きだという打撃への思いも…。

 「投げるだけでなく野球を全力でやりたいんです。高校野球のように投げて打って走って…」

 対面した阪神から「打撃もいいみたいだね」と言われても、野手としての挑戦までは話題に上がらなかったという。ひょっとしたら、まだ夢の段階かもしれない。ただ、冗談のレベルでもない。今後、球団へ希望を伝える可能性についても「やりたいです。やると決めたら本気でやりたいです」と語気は強かった。オリックス・吉田正のやわらかいトップでの軸回転スイングを理想にも挙げた。

 「セ・リーグなのでホームランを打ちたいです」。高校通算13本塁打。自信はなくはない。目は真剣だった。(畑野 理之)

 ◇森木 大智(もりき・だいち)2003年(平15)4月17日生まれ、高知県土佐市出身の18歳。蓮池小1年で「蓮池ホワイトシャーク」でソフトボール、3年時に「高岡第二イーグルス」で軟式野球を始める。高知中では3年時、軟式球で150キロを計測。高知高では1年夏からエース。甲子園出場はなし。最速154キロ。1メートル84、90キロ。右投げ右打ち。

 【森木に聞く】

 ――担当の山本宣史スカウトが同じ高卒でドラフト1位・西純の競争相手としても頑張ってほしい、と。
 「上を目指してやっていくのでライバルにはなってくる。絶対に負けたくないと思います」

 ――阪神の選手で話を聞きたい人は?
 「西勇輝さんにコントロールの部分でコツとか、プロのレベルにあった話を聞かせていただきたいです」

 ――目標設定がよどみない。大谷選手のようにあらかじめ立てている。
 「だいたい、ここまでにこうしたいというのは頭の中にある。ノートは書いていないですけど、頭の中で繰り返し思い描いています。言うだけじゃだめなので、達成するために練習していきたいなと思います」

 ――160キロは何歳で?
 「プロの世界に慣れてきて、体ができてからだと思う」

 ▽阪神の二刀流 1リーグ時代の景浦将が有名。本職は野手で、選手不足から複数ポジションを務める必要があった時代で、37年秋は22試合登板で11勝5敗の防御率0.93。打っては2本塁打でリーグ最多47打点。同年は3度の「4番・投手」がある。50年の2リーグ制以降、本格的な二刀流はなく、阪神投手の最多本塁打はバッキーの9本。次いで小山正明の8本。江本孟紀は阪神で3本を打ち、76年5月5日の広島戦で1試合2本塁打を記録した。

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2021年10月13日のニュース