広島・大瀬良 プレーボール被弾も7回2失点で8勝目 2年ぶり2桁勝利へ、佐々岡監督も後押し

[ 2021年10月9日 05:30 ]

セ・リーグ   広島6-2巨人 ( 2021年10月8日    マツダ )

<広・巨>5回2死一、三塁、丸を内野フライに打ち取り、吠える大瀬良(撮影・森沢裕)
Photo By スポニチ

 広島・大瀬良大地投手(30)が8日の巨人戦を7回2失点に抑える力投で8勝目を挙げた。初回先頭への初球で被弾するなど2回まで5安打されながら、3回以降は修正力を発揮。2年ぶり5度目の2桁勝利に可能性をつないだ。打線も5回に一挙4点を奪うなど投打がかみ合い、3連勝を飾った。

 試合途中で別人に生まれ変わった。大瀬良は、初回先頭の松原に初球を中越えソロとされ、2回にはウィーラーに中前適時打を献上。2回までに5安打とはじき返され続けて、割り切ることにした。

 「球自体は良かった。腕が振れすぎていて悪いのかな…と思った。腕で振るというより、下半身と体幹を使って投げた。ここまで、はっきりと変えたことはあまりないですね」

 直球の力感を落として投球フォームを見直し、3回以降の4イニングは2安打無失点。スライダーやフォークなどの変化球を多投しながら5回2死一、三塁で丸を迎えた勝負どころでは、再び得意球の直球とカットボールで押して二飛に仕留めた。

 「試合の中で変えていくことで、うまくいくこともたくさんあった。ダメだったときの経験が今日みたいな試合では大きいと思う」

 投球フォームの欠点を把握して立て直す。この引き出しの多さは、4月上旬に右ふくらはぎ痛で離脱した際にも生きた。下半身の筋肉量が落ちたことで、「下半身が粘れていないから、左腕を高く上げると上下の連動性が崩れてしまう」と投球時に差し出す左腕の高さを低くした。球の強さを求めて18年から左腕の高さを大きく上げる新フォームを導入したように、こだわってきた部分でもある。それでも、現状と折り合いをつけて、思い切りよく理想は捨てた。

 昨年9月に右肘手術を受けたことで、今季からテークバックを大きく取るようにした。「元々は体を小さく使いたい。でも、大きく使った方が肘や肩に無理な負担をかけることなく投げられると思った」。現状を見極めて、最善の投球フォームを選択できる。だからこそ、前半戦で自己ワーストを更新する先発7戦未勝利を経験しながら、見事に立て直すこともできた。

 これで8勝目とし、昨季5勝止まりで逃した2年ぶり5度目の2桁勝利まで、あと2勝に迫った。今季は残り最大3試合の登板が可能で、佐々岡監督も「当然、投手として2桁は最低限の目標だと思う」と後押しする構えだ。最終盤で状態を上げられる経験がラストスパートを支えている。(河合 洋介)

続きを表示

2021年10月9日のニュース