ヤクルト・松田スカウトが見た村上の凄さの原点 非凡な逆方向の打撃と選球眼

[ 2021年9月20日 05:30 ]

ヤクルト村上 史上最年少100号

<ヤ・広>初回1死、右越えにソロ本塁打を放った村上(撮影・吉田 剛)
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 ヤクルト九州地区担当の松田慎司スカウト(53)が村上を初めて見たのは九州学院1年春。「当時からスイングスピードは凄かった」と回想する。当時の坂井宏安監督(64)から「レフト、センター、ライト、均等に打てている」と聞かされていたが、実際に左打席の逆方向である左翼への打球を見て「高校生でなかなか広角に長打は打てない」と評価を高めていったという。

 最終学年だった17年の6月、九州学院での練習試合を小川淳司シニアディレクター(現GM)と視察。村上はその試合で左中間に本塁打を放った。「見ている前で結果を出すのは何か持っている」とスター性も感じた一方で「スカウトが来ていることを知った選手は打ちたくて若干のボールでも手を出す。村上の試合は何度も見に行きましたが、ボール球に手を出したイメージは全くない」と振り返る。

 同年のドラフト会議で最初の1位指名は7球団競合の早実・清宮(現日本ハム)だったが「高校生でこのレベルはなかなか出ない」と外れ1位は迷いなく村上を指名。ここでも3球団が競合したが、交渉権を勝ち取った。

 ◇松田 慎司(まつだ・しんじ)1967年(昭42)12月17日生まれ、兵庫県出身の53歳。西濃運輸から92年ドラフト2位で日本ハム入団。ダイエーを経て98年にヤクルトにテスト入団し救援で01年の日本一に貢献。通算194試合で6勝7敗1セーブ、防御率4.70。左投げ左打ち。

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2021年9月20日のニュース