広島・誠也、2発5打点 菅野撃ち今季4戦連発でチームに勢い 指揮官54歳誕生日に3年ぶり1試合5発

[ 2021年8月27日 05:30 ]

セ・リーグ   広島11-2巨人 ( 2021年8月26日    東京D )

<巨・広17>7回2死一、二塁、中越え3ランを放ち本塁へ駆ける鈴木誠(撮影・会津 智海)
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 広島・鈴木誠也外野手(27)が26日、巨人戦で初回の決勝16号2ランを含む今季3度目の1試合2発を放ち、連敗を3で止めた。菅野からは今季4戦連発。7月9日のヤクルト戦以来15試合60打席ぶりの一発で不振から抜け出し、3安打5打点と目覚めた。4番の復調で勢いに乗ったチームは、18年8月1日のヤクルト戦以来3年ぶりとなる1試合5発。26試合ぶりの2桁得点で佐々岡監督の54歳の誕生日を盛大に祝った。

 鈴木誠にとって菅野は特別な存在だ。「(菅野を)打つために毎年いろいろとやっている」と公言してきた相手。攻略のために極限まで高めた集中力が不振脱出に一役買った。

 初回2死一塁、カウント2―2から3度ファウルを打ってタイミングを合わせた。そして、9球目のスライダーを強振。バックスクリーン右に先制2ランを着弾させて、菅野から4試合連続の一発となる決勝弾を決めた。

 「本当にたまたまだけど、菅野さんから打てたことはうれしい。追い込まれていたけど、自分のスイングをしようと思っていた」

 吹っ切れたかのように、3回には今カード初めて第1ストライクを振って中前打を放った。5―1の7回2死一、二塁では戸根からバックスクリーンへ17号3ラン。今季最多の5打点をマークした。

 今年1月、鈴木誠を中心に集まった沖縄での合同自主トレ中に若手に伝えた。「いろいろ教えてもらっても、一番、大切なのは自分の感覚。調子が悪くなるときは必ず来る。自分の感覚さえ分かっていれば、どこが崩れているかが分かり、修正もしやすくなる」

 その不振が訪れた。試合前までの後半戦打率・182。すると、21日ヤクルト戦の試合前練習で構えた際のグリップの高さを胸の位置まで下げた。練習後にはロングティーを追加して試合に間に合わせた。ところが、1打席目に四球を選んで以降、グリップの高さを元通りに戻した。打撃の引き出しの多さと、合わなければすぐに捨てる潔さ。今回の東京遠征中には、グリップと芯の間が膨らんでいる「バレルバット」と呼ばれる練習用器具も試した。「自分の感覚」が分かっているからこそ、冷静に現状を把握できている。

 「まだ長打の出るスイングではないし、迷惑ばかりかけている。本当に少しずつ(良くなっている)という感じですかね…。日々いろんなところを変えながら、その中でやっていかないと長いシーズンを戦えないので」

 10安打11得点の猛攻。4番が打てば、チームが活気づくことを証明する白星だった。(河合 洋介)

 ▼広島・佐々岡監督(自身の誕生日を2年連続の白星で飾り)チームが勝ってくれたので、もうそれだけで十分です。円陣の前にチョーさん(長野)から(栄養ドリンクを贈られる)粋な計らいがあった。そこからの掛け声で乗っていけたというのはあったけどね。

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