阪神・青柳侍 五輪の雪辱!「気合いを入れて投げた」 粘った6回2失点で自己最多タイの9勝目

[ 2021年8月18日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6ー2DeNA ( 2021年8月17日    東京D )

<D・神16> 6回のピンチをしのいだ阪神・青柳は笑顔でベンチへ戻る(撮影・大森 寛明)
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 五輪を経験した阪神・青柳は、一回り大きくなって帰ってきた。何度も直面したピンチをしのぎ、6回6安打2失点と粘りの投球を展開。リーグトップタイで19年のキャリアハイに並ぶ9勝目を挙げ、後半戦を好発進した。

 「久々の先発でペース配分とかも分からなかったですけど、6回まで投げられてよかった。何とか粘れた」

 3回まで無失点と上々の立ち上がりを見せたが、2―0の4回からが苦しかった。先頭の森に中堅フェンス直撃の二塁打を打たれると、佐野に中前適時打を浴びて失点。その後もオースティンへの四球と、1死からのソトの中前打で満塁のピンチを招いた。続く柴田は二ゴロで併殺…のはずが、糸原の二塁への送球がそれてオールセーフ。その間に同点とされた。なおも1死満塁。ここを耐えた。伊藤光を右飛、浜口を空振り三振に仕留め勝ち越しは許さなかった。

 味方が勝ち越した直後も踏ん張った。6回も2死一、二塁とされたが、要所を締めた。矢野監督からも「よく粘って、同点で止めてくれた。最後の1イニングも行ってくれたことが大きい」と称えられた。

 五輪で味わった悔しさを糧にする。米国との準々決勝では同点の5回から救援し、一時勝ち越しを許す3ランを浴びた。その直後は悲劇を目の当たりにした同僚の岩崎が「顔面蒼白(そうはく)で声もかけられなかった」と心配したほど落ちこんだという。だが下を向いていても仕方がないことは青柳自身が一番、分かっていた。

 「五輪のせいで調子が悪くなったとか言われたくなかった。今回の登板がよくなければ、選んでもらった稲葉さんにも悪い気持ちだったので、すごく気合を入れて投げました」

 決して楽な展開ではなかったが、崩れられない理由があった。これで自身7連勝。防御率、勝利数、勝率の“3冠”にも返り咲いた。後半の進撃へ、また新たな一歩を踏み出した。(長谷川 凡記)

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