抜群の安定感を生み出した青柳の「対左打者対策」 いくつもの「数字」が進化を証明する

[ 2021年8月18日 08:00 ]

セ・リーグ   阪神6ー2DeNA ( 2021年8月17日    東京D )

<D・神(16)>ハーラートップの9勝目をマークした阪神・青柳(撮影・大森 寛明)
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 【畑野理之 理論】いつもの青柳晃洋でホッとした。6回2失点で自身7連勝とし、リーグトップに並ぶ9勝目。防御率1・87は少し下がったが、リーグ1位を維持した。侍ジャパンに選出された東京五輪では中継ぎで2試合に登板も、いずれも失点を重ねて計1回2/3を5失点。初の国際大会で、しかも慣れないリリーフ登板で本来の投球ができずにチームに戻ってきたが、心配はいらなかった。

 サイドスローとアンダースローの間から腕を振る「クオータースロー」が安定しはじめたのは、昨季途中に投手板の左端(一塁側)に立ってからだと思っている。課題だった左打者をどう抑えるか試行錯誤する中、福原忍投手コーチからアドバイスされたのがきっかけだった。「(右端からでは)左打者のいいところに投げても前でさばかれてしまう。左に寄ることで左打者とボールとの距離を詰めることができた」。24インチ(約61センチ)移動した角度が、内角球をより近く感じさせることを可能にしたのだという。昨年9月23日のDeNA戦から立ち位置を変え、10月21日の広島戦で5回2/3を1失点で2か月ぶり白星を挙げて、手応えは確信に変わった。

 数字も顕著だ。先発ローテーションに定着した【19年】は

 対左打者が・332
 対右は・193

 【20年】は

 対左が・288
 対右が・193

 この日は森敬斗に2安打、佐野恵太に適時打1本を許したが、

 【今年】は

 対左が・213と大幅に改善され、対右の・225よりも抑えている。

 もう一つの課題だった制球力の向上にもつながった。最大の武器であるツーシームやシンカーが曲がりきったところが、ちょうどストライクゾーンぎりぎりに収まるようになった。四球から崩れることが多かったが、9イニングあたりの与四球2・49個(101回1/3で44四球)は、昨年の3・28個(120回2/3で44四球)よりもかなり減少した。

 ちなみに西武のアンダースロー・与座海人は青柳と同じ一塁側から腕を振り、ソフトバンクの高橋礼は逆の三塁側に立つ。サイドスローでは中日・又吉克樹も三塁側。武器とする球種などで意識や考え方は人ぞれぞれだが、唯一無二のクオータースローは一塁側からの幅を使うことで完成に近づいている。
=敬称略=
(専門委員)

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