槙原寛己氏　明桜・風間のフォームは未完成、直球こだわって磨いて

第103回全国高校野球選手権大会1回戦   ノースアジア大明桜―帯広農（4回裏終了降雨ノーゲーム） （ 2021年8月12日    甲子園 ）

＜ノースアジア大明桜・帯広農＞4回まで無安打無失点の投球を見せたノースアジア大明桜・風間（撮影・河野　光希）
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　【槙原寛己氏が見た風間球打】雨でノーゲームとなった55球、第一印象はまだ粗削りだな、と感じた。天候を読みにくく、下も軟らかくて投げるコンディション的には難しいところ。その中で最速149キロと片りんをのぞかせた。

　最大の長所は上から投げ下ろすことで生まれる直球の角度。あれだけ上から投げて、低めにいくボールもあった。決まれば打ち返すのは容易ではない。今日の投球を見るだけでも、150キロ以上を投げられる感じは十分だった。世間の注目も集めた中で難しい初戦。初回はどうしても力が入ってしまい制球に苦しみ、2回以降は足場が良くない中で出力を落としてまとめているようにも映った。

　ただし、投球フォームは未完成。下半身がまだうまく使えず、野手が投げているような印象さえ受けた。左足を上げた時に間が取れず、打者の方へ突っ込む傾向がある。フォームが固まらず、変化球は肘が緩んで下がってしまうこともあった。

　球種も豊富なようだが、今は真っすぐにこだわり、磨いてもらいたい。それが後のキャリアにも必ず生きる。フォームの完成度が高まれば直球の質もまだ上がる。そう望みたくなるポテンシャルは間違いなく秘めている。（スポニチ本紙評論家）