コロナ禍で出場辞退の城郷が鎌倉学園と対戦 7回コールド負けも笑顔で高校野球を引退

[ 2021年7月31日 15:06 ]

練習試合   鎌倉学園9―0城郷 ( 2021年7月31日    サーティーフォー保土ケ谷 )

<神奈川大会> 5回2死一、二塁、一塁にヘッドスライディングをするもアウトとなる城郷・増田。一塁手・小山 (撮影・光山 貴大)
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 第103回全国高校野球選手権神奈川大会3回戦の出場を辞退した城郷が、対戦予定だった鎌倉学園と練習試合を行った。新型コロナウイルス感染拡大の影響によって出場辞退した城郷に、鎌倉学園が対戦を申し入れて実現。同じく3回戦の出場を辞退した藤沢工科も鎌倉学園と練習試合を行った。

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 心の底から野球を楽しんだ。涙の出場辞退から14日。こんな舞台が用意されるとは思いもしなかった。城郷の3年生16人は試合に負けて、高校野球を終えることが出来た。

 「試合が出来て楽しかった。歴史に例のない試合。そういう意味では城郷の名前を残せたのかなと思う」。細谷岳澄主将(3年)は満足そうだ。試合が出来ず悔し涙を流したあの日を思えば、夢のような対戦だった。

 13日の2回戦で逆転サヨナラ勝ちし、迎えた17日の鎌倉学園との3回戦。新型コロナウイルス感染拡大によって対外の部活動が禁止となり、ギリギリまで出場の可能性を探ったが、試合開始直前に辞退が決まり、ナインは泣き崩れた。その3日後のことだ。4回戦で横浜に敗れた鎌倉学園から対戦の申し出があった。神奈川県高野連も大会で使ったサーティーフォー保土ケ谷球場を用意。「本当にありがたかった」と小池健一監督。最初は戸惑った3年生も23日から全体練習を再開し、細谷主将は「鎌学と一勝負しよう、と。やっぱりみんな野球が好きなんだと思った」とこの日に備えてきた。

 鎌倉学園のエース平本龍太郎(3年)の対策も練ってきた。速球派の投手だが、あえて打撃マシンを120キロにセット。しっかり引きつけてセンター返しを意識した成果で7安打を放ち、5回終了後に校歌も流れた。試合は0―9の7回コールド負け。「試合は楽しかったけど、1点も取れなかった悔しさもあります」。細谷主将の悔しさも試合が出来たからこそだった。

 小池監督は腕時計の日付を3回戦が行われるはずだった17日に戻して試合に臨み、試合後の記念撮影で笑う3年生たちの表情を見て言った。「あのとき(出場辞退前)の気持ちでやろうと挑んで、よくやった」。劇的な1勝と感動的な1敗を記した今夏。将来は高校野球の指導者を目指すという細谷主将は「この経験を伝えたい」と目を輝かせた。
 

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