立正大立正 猛打の日大三イズムで2戦合計29安打22得点 01年夏全国制覇の内田監督が仕上げた打線

[ 2021年7月20日 05:30 ]

全国高校野球選手権東東京大会3回戦   立正大立正13ー2都新宿 ( 2021年7月19日    都営駒沢 )

<立正大立正・都新宿>6回、中犠飛を放つ野替
Photo By スポニチ

 「積極的に振れ」「でも、強引にはなるな」。立正大立正ベンチから、内田監督が指示を送った。甲子園で頂点に立った夏から20年。当時、日大三の3番打者だった指揮官は、緻密な攻撃ができる打線に仕上げてきた。

 初回は盗塁死もあって4安打で1得点だったが、ヒットは全て中堅から逆方向だった。都新宿の軟投派左腕・小森春太(3年)の攻略法を、内田監督は「金属バットだと振り回してしまうので、遅い球を引きつけて逆方向に打つ練習をやってきた。右打者は、引っかかってレフト方向はOK」と明かした。

 ポイントゲッターは忠実に実行した。4番・野替(のかえ)隼人(3年)は初回に先制の中前打を放つと、3回の第2打席は右前打。4回には左越え2点二塁打、6回には中犠飛で計4打点を挙げて「遅い球は逆方向、ストレートはセンターに打つ意識だった。コツコツつないで、立正らしい野球ができた」と話した。18安打13得点。11安打9得点の初戦に続くコールド勝ちで、2戦合計29安打22得点の暴れっぷりだ。

 高校通算12本塁打の野替の憧れは西武・山川。豪快な打撃を参考にしているが、最後の夏は、つなぐ意識で打席に立つ。「内田先生も目標にしています」と日大三時代の映像も見たことがあるといい「1年生からメンバーに入っていて、甲子園も凄い」。春夏の甲子園で合計3本塁打を放った右のスラッガーの背中も追いかける。

 内田監督は、初の甲子園出場へ打線をけん引する4番打者を「野替には“どこで一本出すかだよ”と言ってきた。よく打ったと思います」と称えた。「どんどん相手は強くなっていく。チームとして精いっぱいやって勝ちたい」と野替。4回戦の相手は今春都大会8強の大森学園。シード校にも打ち勝ってみせる。(川島 毅洋)

 ◆内田 和也(うちだ・かずや)1984年(昭59)1月31日生まれ、神奈川県出身の37歳。日大三では1年夏からベンチ入り。3年時に近藤一樹(元ヤクルト)らとともに春夏連続で甲子園に出場し、夏は全国制覇を遂げた。01年ドラフト4巡目でヤクルト入りし、07年に西武で現役引退。その後、教員免許を取得し16年から立正大立正の監督を務める。

 ▽01年夏の日大三 西東京大会を制し2年ぶり9度目の甲子園出場。1回戦で樟南を11―7、花咲徳栄に11―4、日本航空に7―1、明豊に9―2で勝利。準決勝の横浜戦は7―6でサヨナラ勝ちし、近江との決勝は10安打を放って5―2で下して初優勝を飾った。甲子園6試合でのチーム打率は当時の大会新記録となる.427。3番に座った内田和也は6試合で24打数10安打、打率.417、2本塁打をマークした。

続きを表示

この記事のフォト

2021年7月20日のニュース