セ界突っ走る!!阪神・中野V撃や盗塁王や 3連勝で今季最多「貯金17」巨人に6差“独走の虎” 

[ 2021年6月11日 05:30 ]

交流戦   阪神4ー2日本ハム ( 2021年6月10日    札幌D )

<日・神>5回2死一、二塁、先制適時打を放ちガッツポーズを決める阪神・中野(撮影・大森 寛明)
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 阪神は日本ハム戦を4―2で制して3連勝を飾り、4年ぶりの貯金17を蓄えた。5回に決勝打を放ったドラフト6位・中野拓夢内野手(24)は、2盗塁もマークしてリーグトップタイに立った。チームも55盗塁で12球団トップに君臨。持ち味の機動力を駆使して巨人に今季最大6ゲーム差を付け、首位独走態勢に入った。

 勢いは止まらない。3試合連続「2番・遊撃」で先発出場した中野がバットと足でチームを勝利へと導いた。

 「なかなか先制点がとれない中で少し重苦しい雰囲気があったので。なんとかこのチャンスを生かそうと思って打席に入って、しっかりと甘い球を1球で仕留めることができて良かった」

 まずはバットで均衡を破った。0―0の5回2死一、二塁。先発左腕・アーリンの初球140キロ直球を、しぶとく右前へはじき返した。二走・梅野を先制のホームに迎え入れた決勝打は5月30日の西武戦(メットライフ)以来、9試合ぶりの適時打だった。4回先頭でも中前打で出塁しており、2戦連続のマルチ安打とした。

 足でも魅せた。まずは5回、打者・マルテへの2球目で今季11個目の二盗を決めた。さらに死球で出塁した7回にも二盗で12盗塁とし、相手バッテリーをかく乱した。驚異の成功率100%に加え、交流戦に入ってから7盗塁と持ち味を存分に発揮。2年連続盗塁王の同僚・近本の11盗塁を上回り、ヤクルト・塩見に肩を並べてトップに立った。さらにチーム全体としても、この日の4盗塁で、12球団トップに躍り出る55盗塁をマークした。この機動力も、巨人に6ゲーム差を付けて首位を独走する一因だ。

 「常に次の塁を狙うという意識は強く持っているので。塁に出たら自分の足でかき回そうという気持ちを持って走塁をしている。その結果が良い方向につながっている」

 そう話す若武者の躍動に矢野監督も「新人という感じにも見なくなってきているし、欠かせない感じになってきている」と厚い信頼と期待を寄せる。高校時代から走塁は武器で、恩師である日大山形・荒木準也監督(49)も「走塁技術においては(歴代の選手で)ナンバーワン」と太鼓判を押していたほどだ。

 チームに欠かせない活躍で、オールスターのファン投票ではセの遊撃部門で1位に君臨する。11日からは故郷・東北での3連戦。「自分の役割はしっかりあると思うので、残りの3連戦もしっかり塁に出て得点圏でクリーンアップに回すという自分の役割をやっていきたい」と言葉に力を込めた。(須田 麻祐子)

 《交流戦球団最多盗塁に》中野(神)が2盗塁を成功させ、12盗塁で塩見(ヤ)に並んだ。交流戦で7盗塁は12球団トップで、18試合制となった15年以降では18年糸井の6盗塁を抜いて球団最多となった。他球団も含めた18試合制の交流戦最多は、16年糸井と19年福田(ともにオリックス)の9盗塁。

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