楽天・早川、則本超え6連勝でチーム5連勝導いた 5回2/3を2失点で球団新人記録更新

[ 2021年6月7日 05:30 ]

交流戦   楽天6―4広島 ( 2021年6月6日    マツダ )

<広・楽>ハーラートップの7勝目を挙げ笑顔の早川(撮影・奥 調)
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 志が高いからこそ、反省と喜びが同居した。楽天のドラフト1位・早川は「ゲームはつくれたが、6回は投げ切りたかった」と言った。課題の6回、打者3巡目につかまって降板。それでも5回2/3を2失点で両リーグ単独トップの7勝目を挙げ、チームをリーグ一番乗りの30勝に導いた。

 常に学ぶ姿勢が肥やしとなる。この日は対戦相手に目を向けた。同学年の高橋昂だ。木更津総合2年秋の関東大会準々決勝。花咲徳栄の同じ左腕とともに完投し、2―1で勝ってセンバツ切符を手にした。プロで6年ぶりの対戦。「(高卒で)自分よりプロで長い。冷静さ。四球後も動揺せずストライク先行の姿を見て大事だと感じた」と感慨に浸るよりも観察して吸収した。

 チームを今季最長の5連勝に導き、自身も6連勝。13年則本昂の5連勝を抜く球団新人記録を達成した。「そういう代々築かれた記録を塗り替えていける投手になりたい」。まだ序章。見据える先は高く、そこへの道筋もまた先輩投手陣からの学びに他ならない。

 プロ入り前から則本昂の動画集を見て「三振の取り方や意識を聞いてみたい」と門を叩いた。この日は直球狙いの相手の気配を察し「真っすぐに近いボールで打ち取ろう」とカットボールを軸に。変化量などのサジ加減や使い方の意識は、田中将との会話から幅を広げた。プロでの調整法は涌井に教えを請うた。疲労がたまる梅雨時を迎え「走る量は増やして。あとは睡眠時間、今日も9時間寝てきました」。昨夜は午後11時15分に就寝。先輩に脈々と流れる財産を血肉としている。

 則本昂が13年に残した球団新人記録の15勝も視野に入ってきた。「そこは目標にしながらも、まずは2桁勝利を目指せれば」。伝統校の早大出身らしくレガシーを背負い吸収し、自分なりのやり方で結果に結び付けている。(後藤 茂樹)

 ≪新人で2桁勝利なら楽天では3人目≫早川(楽)が6連勝でハーラー単独トップの7勝目。楽天の新人で6連勝は13年則本昂の5連勝を抜く最多記録になった。また、チームの新人で2桁勝利は07年田中の11勝、前記則本昂の15勝と2人だけ。早川はチーム60試合目で7勝したが、田中が78試合目、則本昂は72試合目で到達。早川は2人より速いペースで勝利を積み上げている。

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