完敗の中キラリ 広島・松山、バックスクリーンへ2戦連発 世代交代に待った「ここから上げていければ」 

[ 2021年5月31日 05:30 ]

交流戦   ZOZOマリン ( 2021年5月30日    広島1-7ロッテ )

<交流戦 ロ・広(3)>6回2死、松山は中越えソロを放ちガッツポーズ(撮影・沢田 明徳)
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 広島・松山竜平外野手(35)のエンジンが温まってきた。30日のロッテ戦(ZOZOマリン)で2試合連続の2号ソロ。4点を追う6回に直球をバックスクリーンへ叩き込んだ。試合は、来日初先発のネバラスカスが制球難から3回途中3失点降板するなどして1―7と完敗。ただ週明けには離脱中の会沢や菊池涼、小園らの実戦復帰が見込まれ、反転攻勢への風は徐々に吹き始めている。

 有言実行の一撃だった。序盤から守備時間が長く、ロッテ側に傾いたままだった試合の流れ。わずかでもあらがってみせたのはベテランの意地だ。4点劣勢の6回、松山が左腕・小島に痛打を見舞った。

 「何とかまず1点を返すことができて良かった。しっかり捉えることができました」

 2死無走者。1ストライクからの真ん中高め直球を振り抜くと、快音を発した打球は敵地のバックスクリーンへ吸い込まれた。2試合連続の2号。広報コメントに込めた反撃への思いは実らずとも、自身とチームには意味のある2連発だった。

 「試合が無かった期間、限られた練習の中で自分のやるべきことをしっかりやって、調整してきたことが出せている。(状態は)悪くないと思う」

 下半身のコンディション不良、さらには球団判断によるコロナ特例で、2度の抹消を経験した今季。その打力からすると、打率、本塁打数、打点数ともモノ足りないが「まだシーズン序盤。ここから上げていければ」と逆襲を宣言していた。

 朗報がある。下半身のコンディション不良で5月4日に登録を外れた会沢と、新型コロナ感染による隔離期間を終えて活動を再開した菊池涼、小園が早ければ週明けのウエスタン・中日戦(由宇)で実戦復帰する見込み。佐々岡監督は「様子を見てからになるけど、順調なら来週には出ると思う」と語った。

 苦境にあって少しずつ見え始めた反転攻勢への光。主力メンバーが帰ってくるまで「チームを引っ張っていけるように結果で応えたい」と誓い、投手、野手に関係なく若手に積極的に声掛けする松山も状態を上げてきただけに、期待は膨らむ。

 「いないメンバーも多いけど、いるメンバーで盛り上げているので雰囲気は悪くない。チームの勝利に向けて全力で頑張りたい」

 世代交代の波が押し寄せつつあるカープ。自慢の打撃で立ちはだかる35歳が頼もしい。(江尾 卓也)

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