阪神・ロハス 来日初安打が“甲子園40年ぶり”1号 タイムリーも出て2安打2打点 ついに覚醒

[ 2021年5月19日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3ー14ヤクルト ( 2021年5月18日    甲子園 )

<神・ヤ(8)> 6回2死一、二塁、ロハスは中前適時打放ち人差し指を突き上げる (撮影・後藤 大輝)
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 阪神の新助っ人、メル・ロハス・ジュニア外野手(30)が18日のヤクルト戦の5回1死、中堅左へ1号ソロを放った。デビューから21打席連続無安打の球団新助っ人ワースト記録をつくったが、22打席目の来日初安打を初本塁打で彩った。来日初安打を甲子園での本塁打としたのは40年ぶり2人目。チームはヤクルトに今季初黒星も、R砲のバットが次戦以降へ光明を照らした。

ようやく目覚めた。打った瞬間に本塁打を確信したロハスは、快音の余韻をかみしめるようにゆっくりとダイヤモンドを一周。静まり返っていた甲子園を一瞬にして沸かせる、完璧な一撃だった。

 「負けてしまったので、うれしい気持ちというのはないが、ホッとしている。最初の安打が本塁打になってよかった」

 周囲の不安を、一振りで振り払った。0―5の5回1死だ。カウント2―2からサイスニードが投じた150キロの外角直球を、バックスクリーン左へ。待望の1号ソロを突き刺した。両打ちの助っ人はかねて「左で打つ時の方が遠く飛ばせる」と豪語していたが、その言葉通りのパワーを誇示。球団新助っ人が来日初安打を甲子園での本塁打で記録したのは81年ゴンザレス以来40年ぶり。ベンチで安どの笑みがこぼれた。

 8日DeNA戦でのデビューから、この日の第1打席まで21打席連続無安打。球団新助っ人ワースト記録をつくるなど苦しんだ。だから暇を見つけては先輩助っ人のサンズ、マルテらに積極的に助言を求め、17日は休日を返上して甲子園で打撃練習を敢行。一刻も早く日本の野球に慣れようと努力してきた。その取り組みが、ようやく結果につながった。

 コロナ下で来日のメドは立っていないが、米国で暮らす家族の存在が心の支えだ。「息子にも父親として誇れるように頑張ってプレーしていきたい」。SNS上には折に触れ、1歳半になる愛息クルー君の写真をアップ。海の向こうからの応援も力に変えている。
 子煩悩な父は、本塁打だけで満足はしなかった。6回は1点を返し、なおも2死一、二塁から右腕・梅野の高め直球を捉え、中前適時打。2安打2打点と結果を残し、「このまま良い状態をキープできれば」とさらなる高みを見据えた。矢野監督からも「捉える打球が今日は多かった。これをきっかけにしてくれたら」と今後に期待を寄せられた。

 敗戦の中、ロハスが次戦以降への光をともした。この夜の一発が「号砲」だ。(長谷川 凡記)

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