阪神・伊藤将が勝てる投手になれる理由 平行カウント軸に大量失点阻止、守備時間短くし攻撃リズムアップ

[ 2021年5月9日 08:00 ]

<D・神(8)> ヒーローインタビューで笑顔を見せる阪神・伊藤将(撮影・大森 寛明)
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【畑野理之の理論】伊藤将司がデビュー3連勝した理由がわかった。相手打者を抑えて、味方打線から援護されれば勝利投手になれるが、偶然にその巡り合わせが良かったのではない。明確な「抑える理由」と「援護される理由」があるから勝てる投手になれる。

 <1>抑える理由 8回まで101球を投げてストライクは69球(結果球含む)だが、残りの32球もわざとボールを投げているようだった。ストライクを集めすぎない…という言い方でいいのかな。2ストライクと追い込んだのは連続ファウルだった3回先頭の桑原将志への1度だけ。逆に2ボールとなったのも3度だけ。的を絞らせないように平行カウント1―1、2―2を基本軸に配球していた。

 29打者に対して無四球で、3ボールになったのも2度だけ。相手先発のフェルナンド・ロメロもいい立ち上がりだったが、3四球がすべて失点につながったのとは対照的だった。ヒットは6本打たれたが、余計な走者を出さないから大量失点しない。びっくりするような速球はないから不思議に思うが、同じ腕の振りからのカーブ、カットボール、ツーシームをストライクゾーンぎりぎりに入れたり外したりできるのが真骨頂なのだろう。

 <2>援護される理由 野手のみんなにも好かれているにちがいない。かつて金本知憲が「江草仁貴が投げている時は守っていて気持ちが良い」と話したことがある。特に金本は連続フルイニング出場を続けていたため、味方投手がポンポンとリズム良くストライク先行で投げ込むスタイルを好んだ。いや、ほとんどの選手が同じ気持ちだろう。守りの時間が短ければ、攻撃に悪い影響を与えることはありえない。

 3勝した得点経過をみても、中盤から多くの援護があるのはたまたまではない気がする。みんなが打ってくれる。伊藤将自身も5回1死二塁で四球を選び、決勝点を呼び込んだ。4月7日の巨人戦でも4回1死一、二塁で犠打を決め、3得点につなげた。今季最多13得点した同24日のDeNA戦では初回に中前打するなど、「9番目の野手」としても機能している。単に勝ち運に恵まれているだけの選手ではない。両軍の新人選手が目立った一戦だったが、本塁打にも適時打にも負けていない「8回1失点」だった。=敬称略=(専門委員)

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