ソフトバンク 上林劇場で執念ドロー!初スタメン即1号だ3安打4打点

[ 2021年5月6日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク5―5楽天 ( 2021年5月5日    ペイペイD )

<ソ・楽>9回、同点適時打を放った上林はガッツポーズ(撮影・岡田 丈靖)
Photo By スポニチ

 ソフトバンクは最大4点差の劣勢から追い付いて首位・楽天と5―5で引き分け、首位攻防3連戦を1勝1敗1分けで終了した。今季初スタメンの上林誠知外野手(25)が9回に松井から同点左前適時打、5回に則本昴から右越え1号2ランを決めるなど3安打4打点の大活躍だった。こどもの日に58歳となった工藤公康監督は2015年の就任以来、誕生日5勝1分けと不敗だ。

 すでに本塁打もタイムリーも打っていた男に、最後の好機でも出番が回ってきた。上林が“もっている”証だ。1点を追う9回2死一塁で代打、川島が四球。押せ押せムードで今季初スタメンの1番打者は楽天守護神・松井が4球目に投じたスライダーを捉えた。左前に同点適時打。「よっしゃー!」と叫んだ。これで3安打4打点。上林劇場だ。

 「自分の開幕戦だったので、印象付けられるように。自分の結果が、チームの結果となる。その意識で、集中できていた。ファンの方に思い出してもらえたかな」

 春季キャンプの初実戦から12戦連続安打と猛アピールしたが3月後半に失速。開幕直前の同24日に2軍行きを命じられた。2軍戦では23試合で打率2割台、2本塁打12打点。本調子ではないがデスパイネに代わって3日に今季初の出場選手登録。前日4日は右翼守備で途中出場し打席なし。この日「1番・中堅」を告げられ燃えた。

 腐らず準備を続けた。「いろんな思いはあったけど気持ちが切れていたら今日の結果は出なかった。自分を信じてやっていて良かった」。4点を追う3回1死一塁で則本昂の直球を中堅フェンス直撃の適時二塁打。1―5の5回無死一塁では再び則本昂の直球を右翼テラス席に運ぶ1号2ラン。まさに反攻の軸だった。

 こどもの日に58歳になった工藤監督。就任した15年から誕生日は5勝1分けとなった。バースデー不敗神話も、土壇場で上林が継続させた。指揮官は「誕生日うんぬんはいいんです。上林くんの意地、プライドが安打、本塁打につながった。1人で4打点。ハッハッハ。大したもの。絶体絶命だっただけによく引き分けにしてくれた」とご機嫌だ。チームは4カード連続負け越しを回避。先発した和田の負けも消した。

 上林は、ここからが8年目の再出発。外野は激戦だがレギュラー再奪取に向けて「誰にも負けない気持ちで最後までやっていきたい」。9連戦は3勝5敗1分けで終了。楽天とは1ゲーム差。首位奪回のキーマンは、この男とみる。

続きを表示

2021年5月6日のニュース