出た“代名詞”!マー君 6回零封2勝 日本復帰後初100球超え熱投

[ 2021年5月2日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天3ー0ロッテ ( 2021年5月1日    楽天生命 )

<楽・ロ>6回、田中将はエチェバリアを三振に打ち取り吠える(撮影・篠原岳夫)
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 楽天・田中将大投手(32)は1日、ロッテ戦に先発し、6回5安打無失点。日本復帰後初めて100球超えの106球を投げ、連勝で2勝目を挙げた。ピンチを切り抜けて大声で吠える、らしさものぞかせたマウンド。右ふくらはぎ痛で出遅れたが、チームを今季初の4連勝に導き堅首に貢献し、いよいよ本来の姿を取り戻してきた。

 大声での声援は禁止だが、本拠のファンは、田中将の咆哮(ほうこう)を堪能した。試合が進むごとに声のボルテージも上がる。5回2死二、三塁。好調の3番・中村奨を迎え、嗅覚が勝負どころと読んだ。ギアを上げ、最後は狙いよりもやや外だったが、この日最速149キロで遊ゴロ。「ぅえいっ!!」という大声と同時に球に込めた力強さが上回った。

 「粘られて球数がかさみながらも、粘りながら形にはできた。そこは自分にとっても良かったと思います」

 6回無失点で106球。前回登板で手応えを得ていた直球を軸に攻めた。コツコツ当ててくる、メジャーとは異なる打者のアプローチの前に球数は自然と増えた。「スプリットはきつかった。スライダーも思うようには操れていなかった」。それでも落差の大きいスプリットチェンジでカバーし、カットボールやカーブも時折挟みながら、丁寧に組み立ててしのいだ。3者凡退は一度だけ。それでも、ホームを踏ませることはなかった。

 この日は大型連休中で、子供向けに場内ビジョンの選手紹介は平仮名のバージョンも登場した。小学1年から野球を始め、捕手だった小学2年で幼くして盗塁を刺し周囲を驚かせた。「自分にとってゴールデンウイーク=野球。野球しかしてこなかった」。思い出をそう口にした一方で、子供たちには「見ていて、その試合に入り込んでもらえるようなゲームになれば」と話した。

 登板前に「あと2回ぐらいは通常モードではないのでは」と話していた石井監督も「全体的に回数を重ねて精度が増してきた」と状態を分析した。

 「シーズン入ってから、いろんなことが徐々にシーズン仕様になっていく。それはどの投手にも当てはまると思う」と田中将。本領発揮は、まだまだこれから。2連勝という結果以上に、先へ向けた大きな上積みを得た。最高のパフォーマンスが見られる時は刻一刻と近づいてきている。(後藤 茂樹)

 ▼楽天・小山投手コーチ 本人と話して、前回の球数が少ない時(6回68球)よりも、今日はそこまで疲れなかったと。そこが良かったと思います。

 ≪地震で練習中断も試合は予定通り≫宮城県沖で午前10時27分にマグニチュード6.6の地震が発生し、楽天生命パークのある仙台市宮城野区では震度5弱を観測。チームは試合前の練習中で選手たちは約1分間練習を中断した。その後は大きな余震もなく、試合は予定通り開催。球場へ向けて出発前だったという田中将は「緊急地震速報のアラートが鳴って。かなり揺れました」と振り返った。

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