ダルビッシュ 今季最多12K3勝!満塁で降板…冷や汗のち「感動した」

[ 2021年5月2日 02:30 ]

ナ・リーグ   パドレス3―2ジャイアンツ ( 2021年5月1日    サンディエゴ )

今季3勝目を挙げたダルビッシュ(AP)
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 最後の雄叫びはマウンドではなかった。パドレスのダルビッシュはベンチでガッツポーズしていた。ピンチを切り抜けた2番手ヒルと「グッドジョブ」と声を掛け合い、抱擁を交わした。

 「ホームランだと思った」と振り返ったのは3―1の7回。1死満塁で降板すると、代わったヒルが代打ラフに右翼ポール際への大飛球を打たれた。本塁打と判定され、逆転満塁被弾…。ところがジェイス・ティングラー監督がリプレー検証を要求し、ビデオ判定でファウルに覆る。命拾いした後、ヒルが2者連続奪三振。「いつもは静かなヒルが気持ちを出したところに感動した」と目を細めた。

 マウンドでも6回無死二塁で3者連続三振を奪い、雄叫びを上げた。毎回の12奪三振。2桁三振は今季初めてでメジャー通算44度目だ。さえたのは2月のキャンプ中に野茂英雄氏(球団アドバイザー)から学び、落ち幅が増したスプリット。ソロを浴びた後の初回2死一塁、6回も先頭に二塁打を浴びた直後に奪った。3勝目を挙げ「野茂さんはスプリットの天才。僕が野茂さんのをやるのは難しい。でも指導は生きていますし、今日も大事なところで2つ三振を取れたので、助かっています」と感謝した。

 そのスプリットとカーブを途中から多投。ジ軍がスライダーとカットボールを狙っていることを察知したからだ。この洞察力も、5試合連続で6回以上を投げて1失点という抜群の安定感につなげている。「(先発陣の)1番手で回っているのでふがいない投球は見せたくない」。投手陣のリーダーとしての自覚がにじんだ。(奥田秀樹通信員)

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2021年5月2日のニュース