赤星憲広氏 03年阪神リーグ優勝をほうふつさせる8番・中野の存在感 遊撃争い一歩リード

[ 2021年5月1日 06:00 ]

セ・リーグ   阪神4-2広島 ( 2021年4月30日    甲子園 )

<神・広(6)>2回無死、松山のフェンス際への邪飛を好捕する中野(撮影・北條 貴史)
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 【赤星憲広 視点】8番・中野の存在感が大きい。2回に1死から右前打で出塁すると糸原の右前打で2点目の生還。このように下位打線でチャンスをつくって1、2番に回せば、得点圏で強い7番・梅野とともに走者を還す役割もこなしている。リーグ優勝した03年の7番・矢野(現監督)、8番・藤本(現内野守備走塁コーチ)をほうふつさせる。

 欲を言えば一つだけ注文がある。5回に2点を追加してなお無死一、二塁の3打席目だ。あっさり3球三振…。安打を放つのが一番いいが、ここは打てなかったとしてもゲッツー崩れのゴロでもいいからネチっこく、なんとしてでも走者を三塁へ進めてほしかった。7回2死一塁での4打席にセーフティーバントの構えを見せたが、それを5回にやっても面白かった。同じ大学→社会人出身の近本は1年目からそういうことができたし、中野ももっと高いレベルを求めてほしいし、相手から嫌われるタイプの選手になってほしい。

 同じルーキーの佐藤輝が注目されているが、中野も十分すぎるほどの合格点。2回の松山の邪飛や4回の西川の二塁ベースよりも一塁側のゴロをファインプレーするなど遊撃守備も素晴らしい。相手先発が左投手でもスタメンから外されることは減っていくだろうし、木浪や山本とのポジション争いも一歩抜け出たと言ってもいいのではないだろうか。

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2021年5月1日のニュース